ピーター・グリーナウェイ監督、1988年の映画。
無料動画のGYAO!でやってました。
ギャオはこういう渋いやつをけっこう配信してくれるので
助かるなあ。
タイミングよく無料でやってるから
まあ、この機会に見ておくかなぐらいの感じで
気軽に見れました。
昔の名作っていうか、昔有名だった監督の作品って
こういう機会がないとまったく目に留まらない。
旧作ってよほどのマニアじゃないと
わざわざ探して見ようと思わない。
そりゃ映画も音楽も漫画も書籍も
全部月額いくらで見放題のサブスクサービスになるわけだ。
わざわざ探さないと見れない旧作は
人の目にとまらず忘れ去られていくだけなので
だったら定額見放題の中に詰め込んでおいて
少しでも目に留まるようにしとくほうが
ましっていうことになるのかな。
ピーター・グリーナウェイ監督作品って
あんまりというかほとんど見たことないんすけど、
今作の雰囲気はウェス・アンダーソン監督作品と
似てるような気がしました。
ピーター・グリーナウェイをポップなアメリカンな
ムードにしたのがウェス・アンダーソン映画って感じがした。
ピーター・グリーナウェイはイギリス人なので
映像にシニカルで暗いムードがあるような気がする。
なんてことない普通の背景に普通の衣装を着た
普通の人たちが出てくるんだけど、
ものすごく奇妙な印象を受ける映像になってる。
最初からおかしい。
縄跳びして空の星を数える少女とか出てくる。
そして裸のおっさんが風呂おけに湯をはって
風呂につかる。
愛人なんですかね、風呂桶並べて風呂に入ってるところに
奥さんなんですかね?がやってきて
おっさんの頭を押さえて湯に沈める。
そのままおじさんは溺死。
たいして抵抗もせずあっさりと溺死したらしいです。
よくわからない描写から始まって
ずっとこの調子でよくわからない奇妙なムードが続きます。
セットや小道具にすごくこってて、
物の配置とか色味の配置とか
絵画のようで見てて飽きない。
ピーテル・ブリューゲルの絵画「子供の遊戯」のようだ。
そういう画面の中で人間が何をしているのかが
さっぱりわからないのです。
ストーリーもよくわからなかった。
夫を溺死させる3人の女の話なのかな?
最初、風呂に入ってる夫の頭を押さえて溺死させる。
次は、なんだっけ、海で溺れさせるだっけ。
最後はプールで溺れさせてたっけ。
それで最後は花火があがってなんだっけみたいな。
どういうストーリーだったのか、
観終わってみると整理がつかずに
よく思い出せない。
難解というわけでもないような気がするんだけど、
出てくる人が何を考えて
何をしているのか、何をしようとしているのかが
よくわからないと
ものすごく奇妙なものに見えてしまいますね。
ああ、あと数が画面のどこかに出てきてましたね。
1から100だっけ?
数えてないからよくわからなけど、
いろんなところに数字が書いてありました。
ゼッケンの数字のように自然なものもあったけど
どうしてそこに数字が書いてあるのか
みたいな不自然な登場も多くて
正直、数字が出てくる意味、なんかあったのかな
っていう感じなんすけどね。
映像はどこで止めても絵になりそうな
絵画のように凝った映像なので
そこがよかったとこですかね。
うーん、GYAO!でやってなかったら
まったく見ようと思わなかったな、これは。
見てもすごいおもしろいって思ったわけでもないので
見てよかったのかよくなかったのか。
動画数に溺れて