藤純子の緋牡丹博徒シリーズ第3弾。
監督加藤泰、1969年の東映任侠映画。
これぐらいになってくるとマンネリ化というか、
ひとつの形ができてきてます。
ちょいと顔見せする感じで登場したりするのは
前作を見てないと唐突すぎて
誰?昔の知り合いっぽいけどみたいになっちゃうね。
藤純子の名をかたる偽物がでてきて
対決かと思いきや人情ドラマになったり、
任侠ヤクザものお馴染みの義理と人情ドラマあったり、
敵対する親の子供同士が恋仲になったりと、
定番の型をいくつも揃えて見せてくれてます。
それはいいんだけど、
なんか並べてるだけって感じで
イマイチ入り込めなかったですねえ。
シリーズものだから、
前作をひきついであれもこれも
つめこんどけみたいな感じがしたなあ。
最後の殴り込みの助っ人で
突然待田京介が参加するし。
そんなに話にからんでないのに突然出てきたみたいな。
どうも富司純子の印象が薄い。
このシリーズ、藤純子が主役だけど
なんか存在感ないんだよなあ。
いや、見た目の存在感はあるんだけど、
お話の中での役割としての存在感があんまないというか。
侠客なので、自分のためじゃなくて
困ってる他人のために立ち上がるので
藤純子自身にはあんまドラマを感じない。
最後の殴り込みも高倉健が
いいとこをもっていってしまう。
敵を成敗、そしてあとはあっし一人にまかしてくんなせえと
すべてをしょって引き受ける。
あれ?富司純子どこいったみたいな。
結局、高倉健主演かみたいな。
高倉健は緋牡丹博徒の1作目にも出てました。
そしておいしいとこもっていってましたけど、
今回は1作目とは違うキャラクターで登場して
またおいしいとこ最後にもっていってました。
藤純子の敵となる組に客人としてお世話になってる
流れ者の侠客という役です。
敵なので藤純子と対決することになるんだけど、
渡世の義理と正義を通す男なので
藤純子側に加勢することになっていく。
主役の富司純子よりも凝った背景をもつキャラになってる。
うーん、どうもこのシリーズ、
藤純子を盛り立てようと、
脇で大物俳優たちが頑張りすぎて
結果、、藤純子の見せ場が
少なくなってしまってるような気がします。
腹の傷から血を流しながらも重大な役目を果たし
座したまま死す嵐寛寿郎。
賭場でいかさまを見破るかっこいい若山富三郎。
頼れる女親分、清川虹子。
それぞれがいいキャラしてて見せ場もちゃんとある。
そのおかげで見ごたえはあるんすけど、
やっぱ主役の藤純子の存在感が薄くなっちゃってるんだなあ。