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『遊侠三国志 鉄火の花道』を観たんだ【映画】

石原裕次郎、小林旭、高橋英樹、浅丘ルリ子共演の日活任侠映画。
松尾昭典監督による1968年の映画です。
なんだか豪華な顔ぶれそろってますね。
主演は石原裕次郎なんすけど、
真ん中でどっしりと存在感だけ放つ感じで
実際よく動くのは小林旭と高橋英樹って感じです。
高橋英樹はフレッシュ担当で
小林旭はニヒル担当って感じかな。
小林旭演じる片目に傷をもつ流れ者の侠客が
なかなかいいキャラしててかっこいいんすよ。
裕さんは、見た目がゆうたろう化してきてる時期なので
あんまり見た目のカッコよさはないんすよ。
ああもう若くないなあって感じです。
でも小林旭のほうは片目のニヒルという
仕掛けのおかげか
それなりにかっこよく見えます。
高橋英樹だけが若さあふれる見た目ですね。
高橋英樹の若者のあやうい感じ、
まだぺーぺーなので自信なさげで、
上からやりたくもないこと
命令されて苦しむ感じが
なかなかかっこいいんすよ。
石原裕次郎もゆうたろう化してるとはいえドスを振り回して
きったはったの大立ち回りするシーンは
意外と体が動いてるので派手でかっこいいんすよ。
そんな感じでタイプの違う漢のかっこよさが
見れる任侠映画でけっこうよかったですね。
お話は任侠ものの定番なんすけど、
最後の敵が自分の組っていうのがなんか新鮮でした。
石原裕次郎は代貸。
親分の娘が浅丘ルリ子です。
親分がヤクザとの政略結婚のために
浅丘ルリ子を差し出そうとする。
弱きを助け、強きを挫くのが任侠道なんすけど、
親分は逆でヤクザと手を組んでレンガ職人たちを
しぼりあげようとするわけ。
ヤクザと手を組んだら、
敵対する組とのいざこざも
抑え込めるだろうっていう思惑もあります。
それに反発をおぼえた石原裕次郎は
浅丘ルリ子をつれて駆け落ちです。
娘の浅丘ルリ子がいなくなれば
親分も少しは頭を冷やして
考えをかえるかもと考えるのだけど
親分は石原裕次郎がかわいがっていた子分の高橋英樹に
石原裕次郎のタマとってこいと命令する。
高橋英樹も親分のやり方に嫌気がさしてて
堅気になりたいと思ってて
足抜けさせてやるかわりに最後の仕事として
石原裕次郎の殺しを命令されるわけ。
小林旭はピストルもった流れの侠客。
昔、会った浅丘ルリ子が忘れられずに組を訪ねたところ
駆け落ち騒ぎになってて、
いろいろと話にからんでくるみたいな感じです。
相当できる男で、
敵対する組に一人でのりこんで
あっさりと組長の首とったりする。
後ろから人力車で忍び寄る刺客のドスをかわして
人力車ごと担いで川に投げ込むとか豪快すぎる。
そんでいろいろとあって
最後、3人は自分の組と戦うことになるって感じ。
なんか街並みとか、古い感じで雰囲気あるのもよかったですね。
セットとオープンセットとロケのシーンがあったと思うけど
ロケはどこでやったんだろ。
どっか古い町並みが残ってる地方でやったんすかねえ。
映画館で小林旭が襲われるところも
雰囲気あっておもしろかった。
スクリーンの裏で小林旭が追手と斬りあいするんだけど、
上映されてるのは無声映画で、
活弁士が語りで演技してしゃべってるんすよ。
こういう大正時代のムードが感じられるシーンがいっぱいあって
それがよかったです。
そういう昔っぽい描写って
作り物みたく見えることが多いんすけど、
この映画では美術さんの腕がよかったのか、
ちゃんとほんとっぽく見えてた。
惜しいのは、これが石原裕次郎の若さの全盛期、
5年ぐらい前に作られてたら
もっとよさげになってただろうということですね。

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