これはあかんでしょ。
2014年、ピーター・サットラー監督、
クリステン・スチュワート主演の映画。
クリステン・スチュワートが女性兵士を演じてて
てっきりデミ・ムーアのGIジェーンみたいなのかと思ったんすけど、
全然そんな感じじゃなかったです。
グアンタナモ収容所を舞台にしたヒューマンドラマでした。
グアンタナモ収容所っていうのは、
テロリストの疑いのある人を拉致して収容して尋問とかしてるとこで、
キューバのグァンタナモ基地にある施設らしいです。
なんかアメリカがテロの後、
疑わしい奴はだれでも彼でも捕まえて
拷問でもなんでもやるっていう方針になって
作られた収容所だったっけ。
今でもあるんだろか。
そこに配属されてやってくるのがクリステン・スチュワート。
仕事は囚人の監視と管理です。
独房を見回って自殺してないか確認する仕事とかです。
え?監視カメラとかでやらないのかな?みたいな。
独房の小窓を見て中を確認して、隣の独房を見て
またその向かいの房を見てみたいなのをやってました。
あとは時々暴れるやつとか出てくるので
拘束したりとかです。
当然、収容者との接触、会話は厳禁。
ただ決められた軍の規律にのっとって
事務的に動くことが求められるのだが、
人を人として扱わない、人間性を否定するような行いに
監視する側の兵士たちの中に精神を疲弊していくものが出てくる。
クリステン・スチュワートもそうです。
休みの日に、うぇーいってパーティーで憂さ晴らししてみても
沈んでいく気持ちは回復しない。
それで収容されてる囚人の一人とだんだん仲良くなっていきます。
完全にこれあかんでしょっていうね。
そのアリっていうやつはすごいおしゃべりで
しつこく話しかけてくるし
最初のほうなんか、クリステン・スチュワートに
うんこ投げつけたりするんすよ。
新人に手ひどい洗礼。
もう何年も収容されてて
新兵の相手するのに手馴れてます。
クリステン・スチュワートは気持ちが折れてて
なんでもいいからすがりたい状態になってるので
アリにつけこまれてるだけじゃないのかと思える。
どんどんアリとの距離が縮んでいく。
これは危険だ。
アリがテロ関係者なのか、そうじゃないのかはよくわからない。
そういうよくわからない状態のまま、
独房に入れられて監視されて生かされてる。
アリが無実の人であればこんな非道な仕打ちはないわけで。
クリステン・スチュワートはそれを考えちゃうから、
精神を病んで苦しんでいくし
アリに同情的になっていく。
でも、軍隊ってそういうとこだからなあみたいな。
人間性を大事になんかしてたら軍人やってられないような。
まあ、そんで最後、心の交流みたいなのがあって
ちょっといい話だねみたいに終わりました。
ハリーポッターの本の差し入れサンキューみたいな。
うーん、これはどうなんだろう。
あかんのとちゃうかな。
クリステン・スチュワートがアリと仲良くなったのは、
アリのことをよくわかったからじゃなくて
疑わしいというだけで人を
非人間的な扱いをすることに加担してる自分に耐えられなくて
その逃げ場としてアリがいただけに感じるからです。
いい話風になってるけど、
そんないいもんでもないぞみたいな。
まあ、この映画はヒューマンドラマというより、
グアンタナモ収容所がいかに人間性をふみにじる場所であるか
ということを描きたかった映画なのかな。
敵かどうかはさておいて、
だからといってこんな非道なことしていいのかという問いかけドラマ。
無料動画のGYAO!で鑑賞したんすけど
こんな映画あったの全然知らんかったな。
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