1953年の溝口健二監督作品です。
若尾文子が若い。
若いというより幼いです。
子役かと思った。
隙の無い演技。
若さの初々しさだけの演技でなく、
ちゃんと制御された大人の演技ができてる。
何歳ぐらいなんだろ。
14歳、15歳ぐらいに見えたけど
20歳ぐらいですかねえ。
若さとうまさのバランスがいい演技するんすよ。
素人くささが残ってるのがいいんだよなあ。
初々しさを残してる若尾文子が見れる作品ですね。
木暮実千代もいいですね。
着物の所作が美しくて
ただただ見てるだけで楽しめる。
ただ座ってるだけ、
ただたたずんでるだけ、
なんか着替えしてるだけでも
ひとつひとつの動きがきれいで見てられます。
映像がいいよなあ。
派手さのない地味なシーンしかないのに
これほど美しいとは。
溝口健二監督の祇園の芸妓ドラマ。
まあ、世知辛いっていうか。
芸だ、粋な遊びだといったところで、
実質は人身売買の場であるっていう物悲しさ。
芸妓といっても賄賂として使われる
高級娼婦みたいなもん。
結局、世の中お金が一番という現実。
こんな理不尽なおかしな世界だったら
やめるって若尾文子が言うんだけど、
じゃあ、やめてどうするの、
どこか行けるとこあるのかって
小暮実千代が言うわけ。
とんでもない嫌な世界だけど、
それでも他よりましだっていうのが
きついっすよねえ。
そんな世界にいる小暮実千代と若尾文子が
お互いを思いやりながら
この先もやっていく。
なんだか悲しいやら、うれしいやら。
そうなんだよなあ。
今の状態は最悪だ、ひどいと思ってみるけども、
じゃあ、どこかに今よりましな世界があるのかというと
どこの世界でもみな嫌なことはある、
他に行き場はないっていうのが
人生なんすかねえ。
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