2017年のウディ・アレン監督作品。
無料動画のGYAO!でやってたときに鑑賞しました。
ケイト・ウィンスレットの一人芝居舞台劇を
鑑賞するという感覚で見ると楽しめますね。
ケイト・ウィンスレットの演技力を見るための
映画といってもいいんじゃないすか。
1950年代のコニーアイランドが舞台。
映像が美しいんすよ。
夕暮れ時の夕日に照らされて
オレンジ色に輝く光線。
晴れた青い空。
曇天のくすんだ鉛色の空模様。
登場人物の心理描写とシンクロしてるかのような
色鮮やかな光が描かれてて
いい映像でしたね。
内容はメロドラマです。
ケイト・ウィンスレットは元女優だった40歳女。
遊園地の食堂でウェイトレスして暮らしてます。
バツイチで息子と今の夫は血がつながってない。
この息子がとんでもないやつなんすよ。
趣味は映画観賞と放火。
あっちこっちで火をつけて問題おこしてる。
若いときは女優として夢見て生きてたのに、
今じゃ愛より生活のために新しい夫と暮らし、
しがないウェイトレスで薄給で忙しく働き、
息子は放火魔でふんだりけったりだわみたいな。
ただ一つの楽しみ、救いは
年下のライフセーバー、ジャスティン・ティンバーレイクとの不倫。
彼と情事を繰り返すうちに、
彼と新天地での新生活に夢をはせるケイト。
そんな毎日だったが、夫の娘のジュノー・テンプルが
ギャングの夫から逃げて家に転がり込んでくる。
ジュノー・テンプルとジャスティン・ティンバーレイクの仲を
疑って嫉妬に燃えるケイト・ウィンスレット。
ジュノー・テンプルの夫がはなったギャングの追跡が迫る。
さてどうなるみたいな。
なかなか面白かったです。
つまらないものが多い最近のウディ・アレン映画にしては
楽しめたかな。
まあ、それというのも映画が面白かったというより、
40歳こえた人間の焦りをケイト・ウィンスレットの
うまい演技で見せられてすごく共感しちゃったってことですね。
もうね、醜いのよ。
見た目じゃなくてね、心の乱れかたが。
若いティンバーレイクが、
40歳って女の円熟期じゃないかっていうんすけど、
その通りでケイト・ウィンスレットの外見は魅力的なんすよ。
しわも夕日をあびて金色の光線の中で見ると
神々しい美しさを感じる。
若いときのケイト・ウィンスレットとは
違う美しさがあります。
その外見の美しさと裏腹に内面のみっともなさがねえ。
実によくわかる。
ほんとの私の人生はこんなんじゃなかったはずなのにと後悔。
今はただウェイトレスという役を演じてるだけだと現実逃避。
若さに嫉妬。
生活に追われる毎日にうんざりしっぱなし。
いやー、わかるよー、わかるよーみたいな。
これは若い人が見てもおもしろくないかもですね。
ケイト・ウィンスレット頭おかしいだけだろ、
他のやつらもろくなやつらじゃないって
若い人には見えるだけだろうなあ。
でも40歳越えてる人にはおもしろいだろね。
40って人生の折り返し地点を過ぎる年齢なので
いろいろと考えだしちゃうわけで。
はあ~、よく考えたら今の私ってろくな生活じゃないなあ、
若い時はもっとあれこれ夢もってたのに、
今これかみたいなこと思って落ち込んだりするもんです。
若いやつはいいよなあ、いくらでもやり直せるしって。
私はもう若くないって気がついて恐ろしくなる。
それで錯乱状態になって荒れて喚き散らすけど、
それでもまた明日からも同じパッとしない人生が続くんだと
仕事の用意する日常にすっと戻るみたいな。
行き場なしのみっともない人生からどうにか脱出できないかと
あがけどもあがけどもみっともないだけで出口なし。
年取ってくるとほんと自分のみっともなさに愕然とするからね。
若いとまだ先があるから今ダメでも何とも思わないけども
年取ってて今結果出てなくてぱっとしないってことは
もうダメ確定じゃないかって思い知らされて
めちゃくちゃ恐怖と不安が襲ってくる。
まあ、こういうなんでもない生きる辛さを描くドラマって
見ても仕方ないとは思いますねえ。
現実がつらいのに
映画でさらに辛さを確認してどうすんだみたいな。
映画でぐらい楽しい夢を見させてほしいよ。
動画女と男の観覧車