舟木一夫、和泉雅子主演の1966年日活映画。無料動画のGYAO!で鑑賞。
悲恋ものってやつですかねえ。
時代は太平洋戦争。
山林地主、志村喬の跡取り息子の舟木一夫と
身分違いの許されぬ恋に落ちて
家柄の違いによるハードル、
戦争で徴兵されて離れ離れになるハードルに
阻まれながらも
二人は添い遂げるみたいな話です。
和泉雅子が病におかされてしまうので
舟木一夫が戦争から帰ってきたのに
添い遂げられないんだけどね。
いやー、なんでこんな悲しいことすんのかなみたいな。
最後の二人の愛の決着を
ああいう悲しいセレモニーで
しめくくるのはどうなんだろって思っちゃった。
悲しすぎる。
死体を花嫁に婚礼の儀を執り行うって
ちょっときつい。
結婚式とお葬式をいっぺんにやるって
悲しすぎるだろ。
舟木一夫の妻として
舟木一夫の家のお墓にはいるということが
彼女を認めることになるから
ああするのが彼女を見送る
最大の方法なのはわかるんだけど、
とにかく悲しい。
でもさ、舟木一夫は家を捨てて
勘当同然で1人の男として
彼女と一緒に生きていくという決心をして
やってきてたわけだから
山に戻らなくてもよかったような気もします。
まあ、なんにせよ
悲しすぎる話だったなあ。
悪役っていうかね、悪い人がいない話だったなあ。
いや、舟木一夫と和泉雅子の仲をさこうとする
人たちはいるんだけど、
それもそうしなきゃいけない理由っていうか、
その人の立場ではそうなるのは仕方ないっていう感じ
なので、真に悪人だから彼らを攻撃するっていう
人は出てこない。
志村喬が反対するのも、
そりゃあいろいろと守らなきゃいけないものが
あったらそういう考えになるだろうし。
おまえは思想にそまってしまったんだと言ってたけど
まあそうですねえ。
資本家を軽蔑し、労働者を賛美する思想に
舟木一夫は心酔していたから
和泉雅子に惚れたっていうのもあるのかな。
まあ、和泉雅子がいい人すぎるから
惚れるのも致し方なしか。
足音で舟木一夫が山を登ってくるのが
わかるって、和泉雅子の聴覚は犬か?って思ったけどね。
結婚相手にと父親がつれてきた
実業家令嬢の太田雅子(梶芽衣子)でも
ぜんぜんいいと思うけど
やっぱりそれじゃあダメなんだろなあ。
舟木一夫も真面目なんだよ。
梶芽衣子と結婚して和泉雅子は妾にするとかいう
ずるいことはしない。
まあ、みんな真面目でいい人ばっかりの話だったなあ。
まあ、美しいですよ。
純粋で美しい物語は、
どこか狂気の沙汰にも見える。