金融詐欺師の話。
韓国映画なので映像の質は高いです。
2017年、ヤン・ギョンモ監督、
イム・シワン主演のサスペンスあり
アクションありのエンタメ映画。
チン・グ、イ・ドンフィ、パク・ビョンウン、
無料動画のGYAO!でやってたのを
観てみました。
大学生のイム・シワンが詐欺でカモッた相手が
プロの融資偽装詐欺師集団で、
そのリーダーに才能を見込まれて
チームに迎え入れられます。
元ヤクザで気合と腕っぷしだけはあるメンバーと組んで
またたくまに融資詐欺のコツをつかみ
大金を稼いでいくイム・シワン。
それをよく思わない武闘派のメンバーもいて
仲間割れが始まっていろいろとあるみたいな。
最後は敵になった元仲間をひっかける
大がかりな詐欺を成功させて
大金ゲット&詐欺被害者にお金をわけるという
ねずみ小僧的な着地をしてました。
なんだろ、
オーシャンズ11とねずみ小僧を足したみたいな。
詐欺ドラマと人情ドラマを足した感じですかね。
イム・シワンが入ったグループがやってる詐欺は
融資詐欺っていうやつでした。
お金を借りたいけど審査が通らない人がお客。
そのお客の信用情報を偽装して
偽の身分、偽の融資目的、
偽造の書類をそろえて
融資の審査をパスするようにおぜん立てする。
融資額から手数料をもらうっていう商売。
詐欺る相手が銀行やノンバンクなどの大会社なんすよ。
お金が必要な困窮者の手助けを
俺らはやってるんだ的な。
リーダーはちょっとした義賊気取りです。
韓国はものすごい格差社会らしいですね。
パラサイトじゃないですけども、
半地下の狭い部屋で家族ぎゅうぎゅうで暮らしてる人
がいるかと思えば、
大豪邸で王族のような暮らしをしている人がいたりして。
だからこの映画の詐欺師たちは、
大金持ちから
本当にお金が必要な人たちに
お金が流れるように手助けしてるだけだから
詐欺師であることに罪悪感を持ってません。
貧困者からさらに搾り取ることになる
住宅ローンや自動車ローン、
保険の詐欺には手を出さない
っていうのが鉄の掟になってます。
困窮者にローンで車や家や保険を買わせて
手数料をとったり、
車を奪って売り飛ばしたりする詐欺はやらない。
弱者をターゲットに搾り取らないっていうのが
一応ポリシーになってるわけですね。
それが仲間割れがおきて
武闘派たちは自動車や保険の詐欺に手を染めていく。
こんなに儲けが大きいのに
今まであいつはなんでやらなかったのか。
度胸がなかったんだなみたいな。
それで詐欺師たちを追うのは窓際刑事たちです。
なんか3人が融資詐欺の特別捜査班みたいに
チームを組まされるんすけど、
これは警察が一応捜査してますよという
ポーズのために作られた部署なので
3人のうち2人はやる気なし。
若い時の笑福亭鶴瓶みたいな人だけが
本気で捜査します。
何度かもう一歩のところまで迫るけども
逃げられてなかなか詐欺師に手が届かない。
最後は主人公側と共闘して
武闘派をたたくみたいな感じになってました。
貧乏が憎い!お金持ちからとるんだからいいだろって
詐欺をやってた主人公たちだけども、
いや、詐欺は詐欺、真っ当な生き方じゃないぞと
後半、思い直すわけだけど、
結局、詐欺で敵をやっつけて
詐欺で得た金をねずみ小僧するわけなので
いや、これでよかったのかどうなのかみたいな。
この映画、けっこう映像もいいし
話もおもしろいんすけど、
ところどころ唐突に場面転換しすぎで
話がよくわからなくなるところがあったり、
詐欺師たちが大っぴらに詐欺商売しすぎで
緊張感が全然なかったりで
ちょっと間延びしたように感じました。
登場人物にまつわるいろんな話が
詰め込まれてるので
消化不良をおこしてるって感じかな。
連続ドラマで5回ぐらいやるのが
ちょうどいいボリュームを
無理やり1本の映画にねじ込んだみたいな。
上映時間は2時間越えてるんだけど、
これは3時間以上やらないと
おさまりそうにない内容だと思った。
景気よく札束が飛び交う映像が多くてよかったけどね。
いやー、あんな束を無造作に
アディダスのショッパーにいれて
積み上げられるぐらい給料もらったり稼いだり
一度してみたいものですね。