内容は書き方のテクニックやスキルの指南ではなく、
書くということにいかに慣れるか、
書くという行為を日常のことにできるか、
なんていうか、
何を書くかや、内容の良し悪しを考える前に、
まず書くことに尽きるということ。
書くという行為は、
なんかみんな簡単にできてあたりまえのように
思っちゃうんすよねえ。
学校で文字習って、黒板に書かれたことを
ノートに板書することを学生のときに
何年もやるから書くことなんか当たり前に
簡単にできると勘違いする。
あれはただ書き写してるだけで
何かを自分で考えて書いてるわけじゃないので
まったく別のことなんすよねえ。
それでいざ何か書こうとなると
いっこうに筆が進まない。
何をどう書いていいのかさっぱりとっかかりがなくて
書けない。
小説とかエッセイとか大げさなものではなく
日記ですらよくかけなかったりするわけです。
読書感想文とかすごい苦手だったなあ。
こんなこと書きたい、こんなこと書いたら
バカみたい、書きたいことが何もない。
書く前にあれこれ思って
書けない。
書く前にあれこれ思わずまず書くという行為に
集中して書いてしまう。
書いたことを読み返したりしない。
推敲するのはまた別の作業なので
書くという行為と同時にはできない。
まず書いて書いて書きまくる。
書くに値する内容なのかなんて吟味しない。
よく考えたらそうだよなあと。
鉛筆と紙、ペンとノート、パソコンがあれば
書くことができるので
書くことは簡単にできて当たり前だという
思い込みができあがってしまってる。
簡単にできるはずなのにできないので困惑してしまう。
いや、書くことに慣れているわけじゃないから、
まず書こうっていうのが
目からうろこっていうかね。
書くことに全然慣れてないのに
書けるわけないわなって感じです。
まず量を書くことが書けることにつながっていく。
書く経験が圧倒的に不足しているのを
気づかせてくれるという点で
この本は読む価値があると思います。
電子書籍:書けるひとになる! ――魂の文章術