1970年、若松孝二監督作品。
谷川俊之 、吉村隆史郎、江島裕子、寺島幹夫出演。
新宿フーテン文化。
街映画。
よくわからんすけども、
フーテンというのがよくわからんですけども、
路上で一日中寝てシンナー吸ったり、
ジャズ喫茶に入り浸ったり、
小劇場で即興前衛演劇やったり、
公園で歌うたったり、
乱交したり、
定職につかず街をふらふらする若者ってことかな。
瘋癲といえば寅さんですけども、
あれの若者バージョンが60年代70年代
街にあふれてたってことなんすかねえ。
その時代の空気を感じられる映画です。
お話はなんかミステリー仕立てになってて
引き込まれましたね。
新宿でフーテン暮らしをしていた息子が殺されて
田舎から父親が上京してきます。
なんでも息子は新宿マッドというやつに
殺されたようなんです。
息子を殺した犯人、新宿マッドを探して
新宿をさまよい歩く父親。
なぜ息子は殺されなくてはならなかったのか。
その理由を知りたくてあちこち聞き込みします。
新宿マッドを知りませんか?
新宿マッドはどこにいるんですか?
聞き込みしていくうちに、
新宿を売るやつは新宿マッドに殺されるという
都市伝説みたいな噂も聞こえてきます。
こうやって彷徨ってる映像がいいですね。
昔の新宿の風景が堪能できます。
そしてついに新宿マッドのグループに接触。
こっからけっこう長時間の話し合いのシーンになります。
父親世代と息子世代のお互いかみあわない討論。
なぜ殺したのか?
警察の犬だから、革命の邪魔になるから。
なんの革命なのか?
革命のための革命だ。
みたいな。
世代間に横たわる深くて大きな溝。
父親世代は、なぜフーテンみたいなやつらが
いるのか理解できない。
フーテンたちはかつて革命を叫んでいたが
革命に失敗して社会に迎合した父親世代を
バカにしている。
でも革命とかなんだとか言ったところで
何も信念がないのでフーテンは弱いです。
父親をボコボコにするんだけど、
25年間郵便配達を毎日続けた男のタフさは
尋常じゃない。
血まみれになりながらもフーテンに一歩もひかない。
それにびびってフーテンは敗北です。
革命だなんだといっても、
仲間内で引きこもって
仲間内でやりあってるだけのフーテンなので
芯の強さはありません。
もう新宿マッドも息子が死んだ理由もどうでもいい。
息子もああした若者の一人だったんだと
しんみり去っていく父親だったのだみたいな。
息子が殺された理由が知りたくて
新宿をさまよった父親が
何もわからなかったけども、
新宿という街を体感して納得したみたいな感じですかね。
なんか討論のシーンとか何を話しあってるのか、
漠然としすぎてよくわからんですけども、
時代の空気、ムードが楽しめる映画だったかな。
BGMのジャズもご機嫌だし。
最初にタイトルロールがあって
題名が出るんだけど、
「新宿フーテン娘 乱行パーティー」って書いてあって
え?違う映画かなって思っちゃいました。
思い切りピンク映画みたいなタイトルなのに
中身は観念的でギャップがすごい。
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