なんだかすごいサスペンスを煽る邦題だけど、
中身はそういうやつじゃないです。
2015年のドイツ映画。
無料動画のGYAO!でやってたので観てみました。
それを追うナチハンターの息詰まる攻防戦
とかいう感じではないです。
そこはメインじゃないです。
アイヒマンはたいして出てこない。
アイヒマンを追う側の中での攻防を描いたドラマでした。
1950年が舞台で逃亡しているナチスの戦犯を探している
ドイツの検事長フリッツ・バウアーが主人公です。
ナチスの戦犯を告発することに
執念を燃やす老人なんすけど、
なかなかうまくいかないんすよ。
なぜかというと、元ナチス党員が政府や企業に大勢いて
捜査を妨害するから。
ナチスの幹部が捕まって取り調べをうけて
当時の人間関係や戦争犯罪が明るみになったら
都合が悪い人間がドイツには大勢いる。
罪を問われずにけっこうな要職についてる
元ナチ党員が多いんすねえ。
そんな中、ナチス親衛隊の大物だったアイヒマンが
アルゼンチンに潜伏しているという手紙が送られてくる。
それで本当にアイヒマンなのか、
本物だったらどうやって確保するのか、
ドイツの罪はドイツでけりをつけなければ
未来に進めないという検事長の奮闘を描きます。
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なかなかうまく進まないんすよねえ。
ドイツ政府はあんま乗り気じゃないので動かない。
元ナチ党員の監視や妨害もある。
苦肉の策で、イスラエルのモサドに接触するんすよ。
モサドにアイヒマンを確保させて
後で国同士の交渉でドイツに送還して
ドイツで裁判にかけるという作戦。
でもモサドもアルゼンチンにいる男が
本当にアイヒマンであるという
確証がないので今は動けない、証拠をもってこいってなって
また振り出しかってなったりするんすよ。
検事長の部下の検事の話も描かれます。
ほかのやつらとはちょっと違う
真っ当な考えの若者だってことで
検事長は彼を信頼できる部下として扱う。
二人にはゲイだという共通点があったことも
大きいんすかねえ。
なんかこう通じ合うとこがあるみたいな。
当時、同性愛は犯罪扱いなので、
ゲイであることが弱みになっちゃうんすよ。
そこを脅しの材料に使われて、
部下の検事は検事長を国家反逆罪で告発しろって脅される。
このままでは身の破滅。
だが、正義を貫いた検事長を告発などできるのか。
そういう若い部下検事の葛藤が
サスペンスとして最後に描かれてます。
罪を問われる側だけでなく、罪を問う側にも
戦争時代の暗部が重くのしかかるみたいなドラマでしたねえ。