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マクドナルドが世界的チェーン店になった秘密『ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ(原題:THE FOUNDER)』【映画のネタバレ感想】



マクドナルドはこうして世界的チェーン店になった

マクドナルド創業者レイ・クロックの伝記映画、っていうか創業者じゃないじゃないか~。マクドナルドをハンバーガーショップだと考えるのなら、

創業者はマクドナルド兄弟。マクドナルドを不動産会社だと考えるなら、創業者はレイ・クロックとなるのかなあ。無料動画のGYAO!でやってたので見てみました。

シェイクミキサーのセールスマン

ちょうど見てなかった作品だったから、さっそく見てみました。 マクドナルドがどういう成り立ちなのかがよくわかります。

ジョン・リー・ハンコック監督、マイケル・キートン主演、2016年の映画。シェイクミキサーのセールスマンだったレイ・クロックがマクドナルド兄弟のハンバーガー店と巡り合うところから描かれます。

時代は1950年代、レイ・クロックはすでに50歳ぐらい。車で各地のレストランを回って営業するんだけどさっぱり売れない。そんなときに6台ものミキサーを注文する店があって、間違いだろうと思って確認すると、6台じゃなくて8台くれと言われて、どんな店なんだと見に行くわけ。

効率追求の店舗運営の衝撃

そのハンバーガーショップは客の注文をうけて会計がすんだらすぐ商品が出てくる。皿もフォークもナイフもない。紙につつんだハンバーガーを客はそこらへんでぱくついてる。大繁盛してんの。

当時の道路沿いのレストランは、セルフで客が注文しにいくんじゃなくてウェイトレスが注文をとりにきて、料理がでてくるまで時間がかかる。皿やフォークやナイフとともに料理が出される。

そういうのが当たり前だった。そういうのを省いて徹底的に効率をもとめ、分業された作業にして、どんどんハンバーガーを売るマクドナルド兄弟の店の形に、これはすごいと思ったレイ・クロックはフランチャイズ展開をしようと兄弟にもちかける。

レイ・クロックはどうしてもビジネスで大成功したいと思ってるんすよ。50歳代ってもう引退を考えるような年齢なのに、どうしてもどうしても何かで一発当てたいとギラギラとした闘志を心にもってるやつなんすよ。

カーネギーの自己啓発レコードとか聞いてんすよ。それまであれこれいいと思ったビジネスに手を出しては失敗の繰り返し人生。

それなりにいい家に住んで普通以上の暮らしはしてるんだけど、奥さんは家にまったくいない夫に不満。夫婦としての時間が全然ない。それがわかってるけど、俺は成功したいという気持ちのほうが強いわけ。

成功への執念

執念。それがすべての原動力。すでにフランチャイズ展開は少しやっててうまくいってないから、レイ・クロックの話にそれほど興味をもたないマクドナルド兄弟を熱意で説得して契約。

マクドナルドのゴールデンアーチを、教会の十字架のようにどこの町にでもあるシンボルにしよう。アメリカのために全国に展開しましょうとでっかい夢を語り、マクドナルド兄弟の兄貴はほだされていいねって思っちゃうわけ。店舗運営については兄弟のマニュアル通りにするということなら、まあいいかってことで契約。

自宅を担保に大博打

それで家を抵当にいれて資金にしてフランチャイズ展開しまくる。でも最初はなかなかうまくいかない。友達付き合いしてる金持ち連中に投資をもちかけて、フランチャイズ契約するんだけど、小金持ち連中は真面目に店舗運営をやらない。

メニューを勝手にかえて売る。店の衛生管理もいい加減。今までと違うスピードを売りにするマクドナルドハンバーガーのコンセプトを守ろうとしない。こんなの俺のマクドナルドじゃねえと、マイケル・キートン激怒です。これではだめだと方針転換。

マクドナルドファミリー

フランチャイズ契約して店をまかせるのを、若くてやる気があって真面目な夫婦をスカウトすることにします。

君たちはマクドナルドファミリーだ、一緒に画期的なマクドナルドシステムを広めて大きくなろうってやるわけ。これが当たって、店は順調、フランチャイズ契約店はどんどん増えていく。

順調なのに資金難に

しかし、レイ・クロックの懐には大したお金が入ってきません。マクドナルド兄弟に取り分のパーセンテージアップを要求しても、最初に契約した通りのパーセンテージをかえるつもりはないと言われてしまう。

マクドナルド兄弟はフランチャイズ展開にそれほど興味がないんですよ。レイ・クロックが熱心にいうから、じゃあ、まかせるかって感じなのでレイ・クロックとは温度差がある。

むしろ店が増えると、ハンバーガーの質や店の質を思うように管理できなくなるからやりたくないみたいな感じなんすよ。レイ・クロックはなんとしてもこのビジネスで世界を制覇してやると意気込んでる。この温度差は埋められない。

ハンバーガー屋から不動産業へビジネスチェンジ

フランチャイズ展開は順調なのに、資金繰りに困るほど金が入ってこない。そのうち銀行からも督促がくるようになる。

どうにもならない、ダメかというときに財務コンサルタントの男に出会う。コンサルはビジネスの形態をかえることを進言する。

ハンバーガーの売り上げのパーセンテージをもらっても微々たるもの。大金を稼ぎたいのなら、レイ・クロックが土地を買収し、その土地をフランチャイズの経営者にリースして収益をあげる不動産業にするべきだと。

ここでビジネスの転換があったわけですねえ。ハンバーガー売りから不動産業者に変身。もう後戻りはできないぞと。あとあと兄弟ともめることは避けられないが、レイ・クロックはどうしても成功したいという執念があるから突き進む。

これで資金に困ることもなくなり、どんどん成長して影響力を高めていくレイ・クロック。

破竹の勢いで急成長

そのうち店舗運営にも口をだすようになっていきます。シェイクにつかうアイスクリームの冷凍庫の光熱費を減らせないかと、新開発の粉シェイクのもとを使うことを強引に決定。

店舗運営のことはマクドナルド兄弟に決定権があるという契約を無視。もうこうなったらイケイケドンドン。妻とは離婚。家や保険はやるけど、事業は渡さんぞ、絶対になと弁護士にいうレイ。

その後、目をつけていた人妻と再婚。マクドナルド兄弟が考えていたゴールデンアーチのモチーフも自分が考えたように、俺がマクドナルドの創業者だとふるまう。執念の勝利っていうやつですかね。

マクドナルド兄弟vsレイ・クロック

マクドナルド兄弟が契約をたてになんか言ってきても、おまえら田舎の小さなハンバーガー屋がおれみたいな全国展開してる大会社とやりあう気か。

おう、受けてたったるぞ、裁判費用はいくらでもあるからなとかまします。羊小屋に狼を招き入れてしまったと、マクドナルド兄弟は闘争することをあきらめ、店の権利をレイ・クロックに売却することに合意します。

一人100万ドルずつぐらいかな。そのとき契約に事業の利益の1%を永久に支払うという条項をいれることをマクドナルド兄弟が要求するんだけど、

まあまあ、それは紳士協定っていうことにしましょうや、契約書に書かなくても守りますよとかなんとかいって、契約から外します。

兄弟のほうも、兄貴の病気の不安とかあるし、レイ・クロックと戦ってももう勝ち目ないとあきらめてるので、納得いかないけどサインする。当然、そんな口約束は守られることはなく……。

成功したければ成功するまでやるだけ

いやー、すごいもんです。執念ですね。やっぱ成功者に共通するポイントは執念だなあ。成功するまでいつまでもなんか大金稼げるタネがないかとつねにチャンスをうかがい続ける執念。

みっともないな、また失敗かっていう周囲の冷ややかなニヤニヤ笑いもなんのその。何回でも挑戦する。それですね。

そういう執念がないから、自分はダメなんだなあって、なんか落ち込んじゃう。どうなってんだろね。

こういう短期間で大成功しちゃうような人の精神構造って。異常なぐらいタフなのかなあ。50歳代から大博打うって事業を軌道にのせて10年やそこらで急成長して大企業になってる。ビジネスは弱肉強食の世界。成功したければ、死ぬまで成功するまでやり続ける執念が必要なんですね。

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