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宮部みゆきx大林宣彦『理由』【映画のネタバレ感想】


理由

宮部みゆきのミステリー小説を大林宣彦監督で映画化したもの。2004年の映画。出演者の数がすごい多いです。オープニングロールで出演者の名前が列挙されてるの見て、うわー、いったい何人出てるんだって驚く。こんな人も出てるんだっていう感じで、大林宣彦映画の常連の人もいるし、当時まだそんなに売れてもない新人みたいな感じで今は売れてる人の名前とかもあったりして、次は誰が出てくるんだろって楽しみながら見れました。

多部未華子とか、加瀬亮も出てるですね。タワーマンションでおきた殺人事件の関係者たちが、取材に応じて証言していく形式です。

宮部みゆきの原作はだいぶ前に読んだことありますけども、当然全然内容を覚えてないので、小説と映画でなにか変更されてるのかどうかとか、

原作の雰囲気をどう映画にしてるのかっていうのはよくわからないんすけど、大林宣彦映画だから、そうとう変なことっていうかね、変な映像をやってるんだろなって身構えて見てしまったんすけど、けっこう普通じゃなかったですっけ。

あんまり変わった映画って感じはしなかったです。大林宣彦映画テイストっていうかね。それはあんまり感じなかったかなあ。夕焼けですか、赤い空が毒々しい色してたりするのは大林宣彦テイストって感じしたけど、他はとくに普通っていうかね。

いや普通じゃないか。まあ、BGMとかも少し作り物くさい感じではありましたけど、普通にミステリードラマって感じだったです。大林宣彦映画の奇妙さに慣れてるから、変に感じてないだけなのかも。

エンディング曲なんか変ですよねえ。あれはなんだろう。殺人事件が結ぶ絆というのを出演者たちが輪唱していく謎のホラーミュージック。

関係者の証言を重ねていくことで、この殺人事件がおきた理由を明るみにしようっていう感じの映画。でも、見終わっても明確な理由、これといった合理的な説明みたいなものはわからず仕舞いって感じなのです。

ただ、事件に至るまで周辺の人間の様々な人間模様が描かれて、いろんな事情、いろんなしがらみの中にいる人たちが、一つの場所に集まっておきた悲劇というのがわかるのが結末というかね。

犯人がわかって事件が解決してっていうタイプのミステリーじゃなくて、事件周辺の人々の人生を描く系のミステリーです。

原作もそうだったのかな?宮部みゆきって犯人捜し系のミステリーじゃなくて、事件にいたるまでの人間ドラマを描く系のミステリーを書く作家ですよね。殺人の舞台がタワーマンションであることが象徴的だなあ。古くから続く人間関係を断ち切るかのように、そびえ立つツインタワー。バベルの塔だ。

ここでいったん、これまでの家族とか家とかの関係性が分断されてしまった時代に入ったみたいな象徴が高層マンションなんだろね。虚飾の生き方を選んで借金まみれでタワマンを手放さなくてはならなくなった人がいて、一方では古い姿を消していく街並みと自分を重ね合わせて、たそがれながらも新しい時代の象徴であるタワマンを手に入れて家族と暮らそうとする人がいる。

その中で、占有屋を雇って暗躍するやつらが間にはいったことで起きた事件。背伸びして分不相応なものを望んであがく人間たちがうんだ悲劇って感じですかねえ。

タワマンなんか買える財力ないのに無理して買っちゃう人。競売物件が安いからといって手を出したら不動産ゴロが占有屋使って占拠しててどうにもならなくなっちゃう人。そんなややこしい場に集まった占有者たちにもいろいろと事情があり。

なんかいろんなことを盛り込んでますね。時代の変わっていく流れに飲まれていく人たちを描き。不動産の暗くて違法な世界を描き。家族ってなんだろねっていうのを描き。それを大量のキャストたちの証言の積み重ねで描いていくという手法。

なかなかよくできてたんじゃないすかね。けっこう最後までたのしんで見れました。まあ、けっこうダレるというか、この人のパート長いなって思うとこもあったけど、出演者が多いから一人一人のシーンは短めになってるから、意外とテンポあって見飽きることもなかったです。

あとはやっぱ誰が出てくるかっていうのが楽しみでね。とにかくいっぱい出てるんですよ。  村田雄浩  中浜奈美子  寺島咲  岸部一徳  大和田伸也  久本雅美  松田洋治  宝生舞  松田美由紀  綾田俊樹  古手川祐子  利根はる恵  赤座美代子  厚木拓郎  風吹ジュン  渡辺裕之  河原さぶ  葛原光生  柄本明  渡辺えり子  菅井きん  荻野奈緒美  小林聡美  風見章子  多部未華子  細山田隆人  左時枝  ベンガル  伊藤歩  立川談志  山田辰夫  南田洋子  石橋蓮司  麿赤兒  東郷晴子  柳沢慎吾  島崎和歌子  小林稔侍  高橋かおり  宮崎将  宮崎あおい  永六輔  勝野洋  加瀬亮  山本晋也  峰岸徹  吉行由実  裕木奈江  片岡鶴太郎  中江有里ら出演。

大林宣彦でお馴染みの顔ぶれもあり、立川談志、永六輔、山本信也とか変わったゲスト出演もありでそれがよかったなあ。これを無名の役者でそろえて、もっとドキュメンタリー色を強くやるっていう方法もあるんだろうけど、それだったら長丁場もたなかったんじゃないすかね。

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