1963年のニューヨークブロンクスを舞台に、人種や系統でグループを作ってる少年たちのケンカと恋愛をオールディーズの名曲と60年代のファッションとともに描いた作品。イタリア系のグループ、スキンヘッドのグループ、黒人たちのグループ、アジア系のグループなどがいて、
チームごとにみんな一緒のかっこしてんの。お揃いのチームジャンパー着て髪型もキメてます。
そんな彼らの日々の生活を描く。これといってストーリーがないから、けっこう見るのはきつかったです。
これがああなってこうなってどうだっていう物語がない。喧嘩したり女ナンパしたり痴漢したり何したりっていう悪ガキどものうだうだした日々を描写してる感じ。
雰囲気の映画です。ムードを楽しむ映画ですねえ。監督はフィリップ・カウフマン。カウフマンといえば謎の珍作「ライジング・サン」の監督じゃないすか。
いや、普通は「ライトスタッフ」の監督だろってか。こういう青春映画も撮ってたんだなあ。
一応、主人公らしきはイタリア系グループ、ワンダラーズのケン・ウォールですけども、その友達や他のグループのやつらのことも描かれるので、
彼ががっつり主人公っていう感じがしない。物語の中心となるキャラクターがいない感じです。
やっぱ映像が見どころになりますかね。1979年の映画なので、1960年代の再現がリアルなんすよ。今、60年代の再現映画作ったら、
昔過ぎて60年前の空気感を再現できないと思うんすけど、これは1960年代から10年とか15年ぐらいしかたってないときに作られてるから、ムード、雰囲気が作り物っぽくない。
その雰囲気が楽しめるかどうかです。物語がとくにないっていったけど、時代の流れは描かれてるんすよ。
60年代後半へとつながっていくであろう動きを感じる印象的な出来事が描かれてる。騙されて海兵隊に入隊する書類にサインさせられて
入隊していったスキンヘッド軍団のやつらがいたりとか。ケネディの暗殺とかね。フォーク・ミュージックのブームの予感とかね。
そういう激動の時代がやってくるという中、ケン・ウォールは彼女と結婚して所帯をもつことになる。
彼女の父親はマフィアですかね。街の顔役みたいな存在だったし。かと思えば、友人は街を捨てて、父親を捨てて西海岸へ旅立っていく。
喧嘩、ナンパに明け暮れる少年時代を、おのおのいろんなかたちで卒業していく。そういう話だったかな。