父をこえて大人になる息子の物語
2014年の韓国映画。無料動画のGYAO!でやってたので、見てみました。ホラー映画みたいな邦題がついてるけど、中身は犯罪家族の話でした。前半はサスペンスミステリーっぽい雰囲気で、後半はバトルアクション映画っぽい感じになります。ストーリー
チャン・ジュナン監督、キム・ユンソク、ヨ・ジング、チョ・ジヌン、イ・ギョンヨン、チャン・ヒョンソン出演。金で殺しや強奪など裏の仕事を請け負う男たちの犯罪グループ“白昼鬼”が、身代金目当ての誘拐をしてるシーンから始まります。
身代金受け取りに失敗、子供を処分するかとなるけども、なぜか育てることになったらしく、時間がたって少年は高校生になってて、犯罪一味の仲間になってます。高校生といっても制服着てるだけで学校には行ってないみたいですけどね。
誘拐された少年なので、そりゃ普通に学校には行けないですね。犯罪グループの5人の男を育ての親として、車の運転技術や銃での狙撃やナイフ格闘などを教え込まれて育った少年。
前半は5人の育ての親と少年がどんなやつらで、どんな仕事ぶりなのかを見せる感じです。後半戦、地上げにからむ殺しを請け負うところから話が急展開。
どんな嫌がらせでも立ち退かない夫婦がいて、白昼鬼に仕事が依頼されるんだけど、その夫婦っていうのが、少年の実の父と母なんすよ。
なぜ立ち退かなかったのかというと、子供が帰ってくるのを待ってたからというね。それを知らずに男を殺してしまった少年。真実を知った少年は、複雑な思いを抱きながらも、5人の男たちに復讐することになるわけです。
前半と後半でテイストが変化
復讐っていうか、なんかあわただしくバトルロワイアルしてる感じになります。地上げしてる大企業の手先たちや、汚職刑事、事件を追う刑事、5人の男たちが入り乱れて、お互い殺し合う。
車でカーチェイスになったり、倉庫で銃撃戦になったり、少年が狙撃しまくったりと、前半のサスペンスな空気をふっとばす派手なアクションが続きます。少年は実の母親を病院に匿って守ろうとするけども、犯罪グループのリーダーであるキム・ユンソクが迫ってくる。
このキム・ユンソクが大ボスですね。なんかすげえやばいやつって感じが最初からしてます。最初の誘拐事件で他のメンバーは少年を処分しようって感じになってたんだけど、キム・ユンソクはおれがリーダーだからおれが決めると少年を生かすことにする。
これがなぜかっていうね。それが最後のほうでわかります。
怪物の幻影を消す方法
少年が怪物の幻影に苦しむというシーンがたびたび描かれる。悪事を行うことへの後ろめたさや恐怖、不安の象徴みたいなものかと思うんすけど、実はキム・ユンソクも怪物の幻影に苦しめられていた。
しかも、少年の父親と若いときに同じ施設で育っていたんすよ。
怪物の幻影に苦しむキム・ユンソクは敬虔なクリスチャンである少年の父親に助けを求め、祈れば怪物は去ると励まされるが怪物は去らないことに腹を立て、少年の父親といい仲だった女を暴行し、彼の足に怪我を負わせる。
犯罪行為に没頭すると怪物はいなくなった。キム・ユンソクの冷酷さにはこんな理由があったとはみたいな。悪事に没頭してるときだけ怪物は出てこない。それでこういう犯罪者になっちゃったみたいです。
なので少年を誘拐したのも、殺さず育てたのも、少年に実の父親を殺させたのも、すべては怪物から逃れるためだった。
父殺しで子は大人に成長する
こんなひどいことしっぱなしのキム・ユンソクなんすけど、同じように怪物に苛まれるヨ・ジングにシンパシーを感じるのか、おれと同じようになれとうながす。
なんかほんとの父親と息子のような感じですよね。息子の中に自分と同じものを見つけて、自分と同じ道を歩むように強制する父親。まあ、そんで少年はそれを全力で否定して別の生き方をするのであったみたいな。
どうなんだろね。地上げの会長を狙撃して殺して、友達の女学生に自画像とカメラをプレゼントして、育ての母親とともに生きるってことなのかな。
少年は親を殺して、乗り越えて一人前の大人になったみたいな話になるのかな。子の親殺しのストーリーをクライムアクションで描いた。息子が父親をこえて成長していく物語を犯罪映画として描いた。そんな感じかな。