石原裕次郎の日本軍もの。
江崎実生監督、
伊藤雄之助、十朱幸代、伊藤るり子、山内賢、川津祐介、小松方正、中尾彬出演。
1966年の日活映画。
このころになると、
石原裕次郎の顔は「太陽にほえろ」や「西部警察」のボスの
ころの顔になってますね。
真っ黒で真ん丸な顔です。
この映画のときは、まだ30歳そこそこだと思うんすけど、
すごい年上に見えますね。
逃亡列車というだけに、
列車が重要なアイテムとして出てきます。
満州鉄道ってやつかな。
敗戦寸前、裕さんが部隊に転属してくる。
脱走兵の捜索任務中に日本がポツダム宣言受諾で
戦争終結の知らせがくる。
戦争は終わった。
だがしかし、抗日ゲリラの攻撃は終わらない。
隊員と重傷の脱走兵、女医らをつれて
どうやって輸送船の出る町まで行けばいいのか。
ってな感じの戦争ドラマです。
女医を演じているのは十朱幸代。
十朱幸代はずっと困った顔してますね。
表情のバリエーションがないです。
まだ新人だったのかなあ。
だから演技が硬くてぎこちないのかも。
とにかくフレッシュな感じがします。
どの映画でも曲者を演じている伊藤雄之助が
この映画でも一癖も二癖もある役で出ています。
謎の中国人商人。
その正体はゲリラかと思ったら日本人。
そして最後には伊藤も脱走兵だったことがわかる。
死んだ兵士に成り代わり
一緒に日本に帰ろうという裕次郎の提案に
いや、俺はここに残ると列車を飛び降りる伊藤。
なんだかよくわかんないけど、
しれーっとうまいこと言って
相手を丸め込むみたいな役がうまいです。
というか、どの映画見てもそういう役をやってるような気がします。
裕ちゃんとこの2人が主要なキャストかな。
まあ、銃撃の撮り方とか
乱闘シーンの撮り方は古くてなんだかなあって感じなんすけど、
爆破の特撮とかはよくできてて
けっこう迫力ありましたね。
橋が爆破されて列車が脱線する映像とかよくできてる。
どうやって脱出するのかという方法もおもしろいです。
あちこち壊れて故障してる列車を修理して動くようにする。
壊れた部品を作るために
武器を解体してその鉄を使う。
燃料は砂糖と駅舎を解体した材木。
銃弾の火薬を使っての溶接とか、
足りないものをなんとか現地調達して
列車を修理するわけ。
人間の智慧で困難を乗り越える展開は
気持ちが盛り上がるのでいいもんです。