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ホアキン・フェニックスの『ジョーカー(原題:JOKER)』【映画のネタバレ感想】



ジョーカー

すべては精神病院に入院してる男の頭の中で考えられた笑えないジョークだったのだろうか?ホアキン・フェニックス主演、トッド・フィリップス監督のジョーカーを見てみました。

これは何かと話題でしたね、公開時。共感しまくって熱狂的にジョーカージョーカー言う人がいる一方で、何がいいのかわからないと冷めた感じの人もいるっていう感じだったかな。

考察や解釈、深読み など、内容についての議論が盛んにされてました。

ピエロのバイトをしながら、コメディアンを目指すホアキン・フェニックス。精神に問題ある母親と二人暮らし。緊張すると笑いが止まらなくなる脳障害持ち。

仕事でヘマ続き。コメディアンの夢も、笑いのツボが人とかなり違うので、大衆受けするネタが作れず芽が出ない。

そんなうまく行かない人生をおくるアーサー(ホアキン・フェニックス)が、銃を手にしたことをきっかけに、辛い現実に反旗を翻すのを描いていきますって感じです。前半はただただ辛いです。

うーん、どうなんだろ。自分としては、あんまりというか、どうなんだろなあみたいな。はっきりとよかった、悪かったといえないモヤモヤな感じでした。はっきりしないんですよねえ。話題作になるのはわかります。

はっきりとしない映画だなと。ホアキン・フェニックスは減量して熱演してましたけど、このストーリーではなくてもっとわかりやすい話の映画で熱演を観たかったですね。

これってバットマンに出てくるジョーカーの誕生ストーリーと思って見始めたら、最後でそうじゃなさそうって感じになって戸惑ってしまった。

ひどいことが次から次へ起きて、それが理由でジョーカーが誕生しましたって話だと思って見てたのに、最後でわからなくなってしまった。

思い返してみれば、ひどいことを並べてるだけのような感じがするし、酷さに物語性がないんですよ、前半。ほんとに出来の悪いジョークみたいな話なんすよ。

不幸の描き方がベタベタしてるっていうか、現実味が薄い描かれ方してるっていうかね。冒頭の悪ガキたちに看板を盗まれて、袋叩きになる描写からして、リアルさよりどことなく作り物っぽい印象を受けました。

アパートの隣人のシングルマザーとの交流がすべて妄想だったいう描写も、最初からこれは妄想だろって思ってしまうぐらいリアルさはなかったし。

母親の手紙から大富豪ウェインが父親ではないかと思って、会いに行ったけど、お前は俺の子供でもないし、あの女の養子だぞって殴られるとかも、ザ・不幸とでもいうような描写です。

虐げられ、孤独と挫折の中で苦しんでいる男が、銃を手にしたことで、3人のヤッピーを殺し、人気エンターテイナーのロバート・デ・ニーロを殺して、民衆のダークヒーローになって街を暴動の炎に包み込む。ジョーカー誕生!

なんだかご都合主義で、薄っぺらい悪人誕生譚じゃないですかね。そう、できの悪いジョークのような話です。オチがない。ロバート・デ・ニーロが、劇中、それでオチは?と聞くけど、そうオチがない。

最後のシーンで、このオチのない出来の悪い笑えないジョークのような話が、実際そうであったとわかります。この映画で描かれていることは、最後の病院にいるホアキン・フェニックスが頭の中で考えた、笑えないジョークなのです。ジョークだから、実際あったことではない。

頭の中で思いついたジョークの描写だと考えると、不幸の描写にリアリティがないのも納得できます。

病院にいるホアキンが、こういう男がこういう不幸があってこういう怪物になったら笑えるジョークだろ?って一人頭の中で妄想して笑ってるってわけ。才能なくて挫折。虐待されて脳障害。父親が誰かもわからず、彼女は妄想の中。そんな孤独に生きる男が不満をもつ大衆のリーダーになる。

こんな安っぽい不幸話って笑えるギャグじゃないかって、病院のホアキン・フェニックスは思ってる。実際はもっとひどい体験をしてきてるから、これがギャグだと思えてしまうってわけ。ほんとのホアキン・フェニックスはもっと得体のしれない存在だと暗に示してるってことかな。

一人でニヤニヤして自分の考えたギャグに笑ったホアキン・フェニックスは、部屋を出ていくというラスト。これまで描かれた不幸話をギャグだと思うほどのやつがジョーカーなんだよっていうことかな。

そう考えるとよく出来ている映画だなと思うんだけど、これってどっちなの?って思わせるような含みがある描き方がされてるので、モヤッとしてしまった。

最後のシーンもなんかよくわからないんですよねえ。病院の廊下を歩いていくホアキン。歩いていくたびに、血の足跡がついていく。あれは誰の血なのか。

カウンセラーの女性の血なのか、別の誰かの血なのかよくわかりません。描かれてないから。こんな感じでもやっとしちゃう映画なんすよ。

全部が病院にいるホアキンが考えた妄想ギャグだとも言えるし、いやいや、全部ほんとのことで、最後の病院にいるホアキンは、暴動のあと逮捕されて病院にぶちこまれてるんだって見ることもできます。

そういう余地、ブレをもたせた作りになってるとこがなあ。イマイチのれないとこですね。そういや、ロバート・デ・ニーロが出演してましたけど、ロバート・デ・ニーロの「タクシードライバー」も似たようなテイストじゃなかったでしたっけ。

ほんとに起きた出来事なのか、夜の街を流すタクシー運転手の妄想なのか、どっちなのかはっきりとしないみたいな。違ったっけ。タクシードライバー観たの相当昔だから全然覚えてないからあやふゃだけど。

さて、実際はどうなんでしょうか。そのまま時系列順の話だと考えたらいいのか、妄想の物語なのか、ところどころ現実と妄想が入り混じってる話なのか。監督や脚本家はどういう話としてこれを作ったのか。公式の見解とかでてるんすかね。

まあ、笑えないジョークを見せられて、もやっとした映画でした。このシーンはこうじゃないか、あれはこういう意味があるんじゃないか、いろんな人がいろんな感想をもつと思うので、そういう点ではいい映画だと思います。

もうちょっとはっきりと妄想オチならそうわかるように作ってほしかったけどなあ。監督のトッド・フィリップスはハングオーバーの人なんだ。全然テイスト違いますね。このジョーカーもハングオーバーのノリで作ってたらどうなってたのか観てみたいような。

そうだよなあ。もっと楽しいノリでやってほしかったよ。現実にしろ妄想の中のギャグにしろ、どっちにしろ気が滅入るような話で、落ち込んじゃうので、あまり見たくなかった映画ですね。
DMM動画:ジョーカー

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