戦国時代のプロジェクトX
2009年の時代劇。無料動画のGYAO!でやってたので見てみました。田中光敏監督、西田敏行主演。大工の話だったです。織田信長の命により、安土城を築城することになった宮大工の西田敏行が、さまざまな困難を乗り越えて城を完成させるのを描く戦国時代劇ドラマ。施主の要望より実用性
解説に戦国時代のプロジェクトXって書いてあったけど、なるほどその通りです。まず城の建築プランのコンペがあるんすよ。3つのグループが建築案を出す。
信長はどでかい吹き抜けのある城を所望。西田敏行とこ以外の建築士は要求通りにでっかい吹き抜けを作る案をプレゼンするんだけど、西田敏行は吹き抜けなしのプランを提示する。
なぜかというと、吹き抜けを作ると火事がでたときに火の回りが早くなってしまって、お館様の命の安全が確保できないから。
城の模型を燃やしてみて実演。吹き抜けないとはおこだぞってなってた信長様も、ほう、なるほどなと西田敏行案が採用です。いやー、プロジェクトXっぽいです。
昔はみんなブラック企業
築城に取り掛かってからも、大工なのに戦場に駆り出されたり、建築資材のでっかい柱に使うヒノキを求めて敵国に行ったりと困難が次々とでてきます。
西田敏行の嫁さんの大竹しのぶが病気になったりさ。身内が病気になって大変でも、仕事にかける熱い職人魂賛歌。いや、ブラック企業じゃないのか、それみたいな。
いや、戦国時代にホワイト企業もブラック企業もないのか。すべてがブラックだったのかな?失敗が死につながる世界。
まあでも、そんなに殺伐としたムードでは描かれてなかったです。上司に逆らって、西田敏行にヒノキの大木をおくった緒形直人は斬り捨てられてたけど、笹野高史の芝居が臭くてさ。コメディになっちゃってんだよなあ。
まあ、演技が変に臭いのは全員だったけど。最後も、嵐がきて柱がずれるかなんかして、それの修正のためにみんなで柱を引っ張って持ち上げて、その間に柱をちょこっと切るという見せ場があるんだけど、
何がどうなってるんだかよくわからんけど、みんな頑張って手が血だらけになるほど縄を引っ張ってたから、なんか頑張ってるんだなあみたいな。
田口トモロヲのナレーションをいれてほしいぐらいだったです。数々の困難を乗り越えて、安土城は完成したのであーる、完。
うーん、時代劇プロジェクトXとしてはよかったんだけど、あんまりおもしろいとは思わなかったです。
映像のチープな質感
まず、映像が軽いっていうかね。昼間のシーンの映像が軽くてちょっといまいちなんすよ。明るくてのっぺりした照明なので、着物やセットが安っぽく見えてしまった。
着物なんかそのへんのお店で今買ってきたのか?みたいに見えてしまってきつい。夜のシーンや森の中のシーンは、陰影があってちゃんと見れる映像だったんだけど、昼間の開けた場所での映像が全然しまりがなくて、この落差はなんだろって気になったですね。
あと役者たちの時代劇はこういう感じでしょ?っていう妙な芝居がかった演技もきつかったなあ。椎名桔平の信長。ちょっと変すぎなかった? 福田沙紀は志村けんのバカ殿に出てくるアホの子みたいだったし。
あんな人こんな人意外な出演者
山本太郎氏が細マッチョな上半身披露して出てきたときは、ちょっと驚きましたね。このときまだ役者だったんだなあ。その後、政治家になるとは想像もしてなかった。
夏八木勲さんはもう亡くなっていないし。何かと問題おこしてる河本準一が羽柴秀吉役でけっこう出番や見せ場があった。
水野美紀が戦隊ヒーローものみたいなアクションしてたのもおもしろかったなあ。でも水野美紀が実は信長を狙う敵がおくった刺客だったという設定いるのかなって思ったな。余計じゃないすかねみたいな。
出演者に癖がある人がそろってて、映画の内容よりも、この人がこんな役でみたいな面白みがありましたね。そういえば前田健さんも出てたなあ。まえけんさんも亡くなってますね。10年一昔とはよく言ったもんだ。お笑い芸人の人がいっぱい出演してるのはなんでなんだろね。ココリコの遠藤章造も出てましたね。
DMM動画:火天の城