黒木太郎の愛と冒険
よくわからないけども、引き付ける力があるみたいな。いや、なんの話なんだ?ってよくわからないんすけど、見いっちゃう力がある。1977年のモノクロのATG映画。野呂重雄原作、森崎東監督、田中邦衛、倍賞美津子、清川虹子、財津一郎、小沢昭一、緑魔子、殿山泰司、岡本喜八、沖山秀子、森みつる、杉本美樹、赤木春恵、火野正平、井川比佐志、三國連太郎、伴淳三郎、麿赤児出演。
田中邦衛がかっこいい
冒頭、監督が出てきて3人の若者、伊藤裕一、太田聖視、荒木健一に協力してもらって映画をとるという。若者には叔父さんがいて、モンキーに似ているからもんくさんというあだ名のおじさんで名前は黒木太郎。
田中邦衛が演じてるんすけど、職業はスタントマン。日の丸をくっつけたジープで大使館や国会付近を走って警官の職質をうけてからかうゲリラごっこをするようなおちゃめな大人です。カーゴパンツにサファリジャケットにレイバンとか、アーミールックが似合ってて渋くてかっこいい。
奥さんの倍賞美津子。友達の元刑事で大人のおもちゃ屋をやってる財津一郎。おおばあの清川虹子。酔っぱらいの伴淳三郎。などなど田中邦衛の周辺人間たちの紹介があって、その人たちの人情ドラマを若者を語り部に描いていく形式です。
伊藤裕一が主人公っていうか語り部なんすけど、声にむちゃくちゃ特徴があるんすよ。低いっていうか、テープを遅くまわしたときのような声質で、しかも滑舌が悪くてなにを言っているのかよくわからないところも多いので、スートーリーがいまいちわからなかったりしました。
ストーリーは……
ナレーションが聞き取りやすかったとしても、よくわからん話ばっかり展開してましたけどね。伴淳三郎が死んでお骨を娘に届けにいくエピソードも、なんだこれっていう話なんすよ。
伴淳三郎には床屋に嫁いだ娘がいて、耳が不自由で貧乏してる。2階に住む女教師が20匹猫飼ってて、そのノミが1階に落ちて不衛生で床屋は客が来ず一家心中寸前。それはほっとけないと田中邦衛と伊藤裕一は女教師を成敗しにいく。
その方法がわけわからん。財津一郎いわく、女教師がヒステリーおこしてネコおばさんになったのは、臨海学校で生徒に輪姦されたのがきっかけだったから、それと同じショックを与えてやれば治るってことで、田中邦衛はやってやるって出撃。
どういう理論なんだか、さっぱりなんだが、田中邦衛は大真面目に実行する。女教師と心を通じ合わせて体を重ねる田中邦衛と緑魔子。それでなんだかまるくおさまって解決みたいな。どういうことなんだみたいな。田中邦衛が他の女を強姦したことと、伊藤裕一が倍賞美津子にひそかに惚れていることを知った倍賞美津子は子供をつれて家を出る。伊藤裕一の父親の三國連太郎は帰還兵で部隊が全滅して自分だけが生き残ったことを恥じていた。
それで戦死者の墓の前で切腹。姪の鶴ひろみが家出した。どうもトルコの女子寮にいるとわかり、田中邦衛たちはヤクザがしきるトルコの女子寮に救出に行く。
ヤクザ相手に危険をおかして救出は成功したんすけど、鶴ひろみはトルコの人たちみんな優しいし、自分の意志で体を売ってなにが悪いのかと迷惑がる。
トルコに戻るという鶴ひろみ。絶句する田中邦衛は裏の世界で生きていく覚悟はあるのかと鶴ひろみに指を詰めろと迫って説得。裏街道でやっていく度胸があるかどうかのテストだっていってね。
親は口うるさいし、勉強も好きじゃないし、真面目にやるのがおもしろくないからぐらいの気持ちだった鶴ひろみは目を覚ます。横須賀のちいばあのとこにかくまわれる手はずが済むと、田中邦衛がヤクザに襲撃されて刺されて重傷。
鶴ひろみが出演しているよ
鶴ひろみ?アニメのドラゴンボールのブルマの声優がそんな名前だったような気がしたけどって思うと、声がブルマだなあってブルマにしか聞こえなくなってきた。
声優やる前は役者やってたんだなあ。昔の声優の人は俳優出身の人が多いですね。同名の別人かな?本人かよくわかんないけど。
田中邦衛を襲撃したヤクザがパトカーで連行されていくところを伊藤裕一が襲う。警官の拳銃を奪って伊藤裕一を撃つヤクザ。死んだかに見えた伊藤裕一は生きてて逆転。ヤクザをやってムショに入る。
田中邦衛は命を取り留め無事、伊藤裕一は出所して映画をとろうと思うのであった。エンドみたいな。
何がなんだかよくわからない。でも見れたなあ。画面にやたらと力がある。わけわからんけどね。話が全然つながってないように思うし。でもなんか見れたなあ。田中邦衛がかっこいい。財津一郎がおもしろい。それだけでいけました。
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