テレビドラマ「太陽にほえろ!」プロデューサーの岡田晋吉氏が、萩原健一、松田優作、石原裕次郎3人の俳優について語った本です。第1章がショーケンについて、第2章が松田優作について、第3章が石原裕次郎について。
最後に竜雷太x岡田晋吉x梅浦洋一(元東宝プロデューサー)のスペシャル鼎談が掲載されています。この鼎談は1章から3章までの内容をコンパクトにまとめたみたいな内容で、ほとんど同じことしか書かれてないので、ちょっと残念だった。内容はそんなディープなことは書かれてないし、他では知られてない珍しい話というのもなかったけど、自分は太陽にほえろ!世代じゃなくて、あぶない刑事世代なので、太陽にほえろ!の時代のことはあんまり知らないので、けっこうおもしろく読めました。太陽にほえろ!ファンの人にとっては、おなじみの話ばっかりだと思うので、物足りなく感じるかも。まあでも、太陽にほえろ!というドラマを軸に、3人を語ってるので読みやすくてよかったです。どうやって太陽にほえろ!が始まっていったのか、ドラマの成り立ちがよくわかった。ショーケンが革新的な存在だったっていうのが、なるほどとちょっと理解できました。20代の若者が大人たち相手にずけずけ言いたい放題やりたい放題。またそれをおもしろがって、どんどんやれって後押しする大人もいて、ああいうショーケンというキャラクターができあがっていったんすねえ。型破りっていうか、それまでの決まり事からはみ出そうっていう勢いがあったから、人気ドラマになったんだろね。
ショーケン、あっさりと1年ぐらいでもう降板するっていって、印象的な殉職シーンをやって、それが太陽にほえろ!名物になって、次のジーパンの松田優作にも受け継がれていく。また松田優作が太陽にほえろ!出演する経緯もおもしろいんすよ。このときまったくほとんど無名の新人をメインにすえるっていうのもすごいし、またその期待にこたえてスターダムにのぼっていく松田優作もすごい。ショーケンのあとだから、ショーケンの二番煎じになるまいと、これまた松田優作もあれこれ悩んで考えてた青年だったから、伝説になるような俳優になっていったんだなって。ショーケンや松田優作の源流がこのドラマなんだなみたいな。石原裕次郎は二人とは違って、映画の大スターだったわけで。テレビなんて電気紙芝居っていう意識だった裕次郎が、テレビドラマに出演して、テレビの影響力を知り、のちに西部警察とか石原プロで作って大ヒットさせていく。またここでも太陽にほえろ!が転機になってるわけですね。いろんな人のその後を作っていった偉大なドラマなんだな、太陽にほえろ!は。自分はちゃんと見たことないんだよなあ。懐かしのテレビ番組を振り返るバラエティ番組とかで、ちらっとワンシーンだけ見たりぐらいで、ちゃんと1話を見たことない。あの特徴的なテーマBGMはよく聞くから、なんだかよく知ってるような気がしてるんだけど、実は全然知らないわけで。今、ちゃんと見たらどんな感じなんだろね。おもしろく見れるもんなんすかね。それとも古臭くてきつい感じになっちゃうのか。一周回って新鮮に楽しめるかもしれないっすね。