まず、いきなり現金でFXトレードを始めるのは無謀すぎた。いろいろなFX証券会社がありますが、だいたいデモ口座でデモトレードができるようになっています。FXはデモで始めるのがよいと思います。
FXで大金を稼いだ所謂億トレの方がデモは真剣にやらないので、実弾トレードをしないとダメということがあります。お金を失いながら、痛い思いをしながらFXを覚える。追い詰められて覚醒する。まるで少年漫画の主人公のようですね。
サクセスストーリーとしては、最初に大負けして追い詰められてギリギリのところでなにかを掴んで逆転して勝利したという話は耳障りが良い。物語としておもしろい。しかし現実では追い詰められても覚醒することはありません。超サイヤ人には変身できません。
泳いだことのない3才児を台風の海に放り込んで泳いでみろ、必死になれば泳げるだろうというのは無理がありすぎます。溺れるだけです。必死になることとFXで勝てることに関係はありません。なのでデモで気が済むまで損しまくるのが最初の一歩になります。
トレードを見様見真似で始めると不思議に思うことがでてきます。ドル円スプレッド0.2なのに1pipsとるのがなぜこんなに難しいのか。5分で1pipsとろうとおもってドル円ロングしたとします。エントリーした瞬間スプレッド0.2分のマイナススタート。
そこからまったくプラスにならない。マイナス1pips、マイナス2~3pipsのところをうろうろ。30分たってもプラスにならない。プラスどころかぐんぐん逆に動いてマイナスが増えていきます。自分がエントリーしたところに壁があるみたいに見えて跳ね返される。
1時間後、らちがあかないのでマイナスで損切り。そうするとぐんぐん戻ってきてエントリーした価格まで戻ります。そして損切りしていなければ1pipsとれていたという状態になる。これはいったいなんなのか?
価格が上がるか下がるかの2択なのに、1pipsすらとれない。手数料0.2というほとんどないに等しい狭さであるにもかかわらず1pipsとれない。適当にサイコロをふって売り買いしても瞬間的に1pipsぐらいとれるだろうと思うのに、実際はとれないことに愕然とする。
含み損の時間を耐えて耐えて耐え抜いて含み益になるというブサイクな展開でしか利益をとれない。
ロングしたのが間違いでショートすればよかったのだと思うがそう単純なことではありません。
同じところで売った場合を考えます。ショートエントリーでスプレッド0.2マイナススタート。じわじわと思惑通りに下げていきます。含み益になります。利益がもっと増えると思って1時間持ち続けます。1時間後に逆行してエントリーした価格まで戻ってきてしまいます。
結局、含み益を吹き飛ばし、マイナスになったところで損切りです。同じ価格で買っても損失、売っても損失に終わるトレード。
買っても売っても損失になってしまう。利益をとるためには、ロングエントリーで逆行してすぐに損切りしてドテン売エントリーして含み益がでたら逆行する前に利確。ショートエントリーで含み益が出たら逆行する前に利確。
適切なタイミングでポジションをとり、適切なタイミングでポジションを閉じなければ利益を残せない。いつ買っていつ売るのか。それこそが習得しなければならないスキルです。
では、その“いつ”はどうやれば判別できるのか。トレードする根拠はなにかということが大切だとFXコーチは言いますが、妥当な根拠なんてものがどこにあるというのか。
RSIの数値がとか、移動平均線の傾きがとか、トレンドラインを割ったとか、高値安値を抜けたとか抜けなかったとか、それにいったいなんの意味があるのか?
チャートパターンやテクニカル指標の数値を見てトレードして利益がでるのなら、AI分析で自動トレードして利益をあげることができるはずです。実際はできないということは、常に機能するテクニカルやファンダメンタルズの情報はないということです。
トレードのエントリーやエクジットの根拠となるものを探すのは聖杯を探すようなもので意味がない。
FXトレードで利益を出すには、含み損を長時間かかえるのを覚悟で含み益になるまでできるだけ長時間ポジションを持ち続けるか、できるだけ短時間の保有で損失幅も利益幅も小さいが勝率をあげるのかの2つの方法があると思います。
“いつ”入って“いつ”出るのか。その時間をコントロールするテクニックを身につけなければならない。時間のやり取りをするのがFXトレードだと感じています。