濱田岳と水川あさみが結婚10年目の夫婦を演じたファミリードラマ。濱田岳が売れない脚本家で娘がいて、妻が働いてなんとか生活してる。売れてないから全然収入ないんすよ。それでセックスも拒まれてばかりで濱田岳は欲求不満。
俺だって頑張ってるんだけどうまくいかないんだからしょうがないだろと半笑い。そんな不甲斐ない夫に水川あさみは苛ついてしまう。
二人が結婚する前とか付き合い始めの頃とかなのかな、昔の二人の回想シーンも出てくるんだけど、水川あさみは濱田岳を励ましてなんでも力になるよと応援してるんすよ。夢に希望にあふれていた若者だったときは、濱田岳が売れてなくても全然平気だった。
すべてがこれから、未来に期待する二人だったから。
それが子供もできて、日々の生活に追われて、自分が稼がなきゃいけないし、家庭の切り盛りもしなきゃいけないしとなってくると、やっぱり夢だけで楽しかったころとは違ってきますよね。
生活におわれていくと、なんか嫌になってくるっていうのはわかりますねえ。嫌になるというか苛ついてくるというか。これが何になるんだとかさ。これがいつまで続くんだとかさ。毎日って不毛なことの繰り返し。
精神が削れてくるというかさ。真面目だったり、しっかり者だったりすると疲労は濃くなる。ヘラヘラしてる濱田岳を見てるとついつい悪態をつきたくなるのも仕方ないです。濱田岳がまたいい味だしてますよ。
売れてない、仕事ない、チャンスをものにできない。なのにあんまり焦ってないからね。考えてるのは嫁と今夜はセックスできるのかってこと。濱田岳みたいに、うまくいかなくてもしょうがないと開き直れるほうが幸せかもですね。
この映画を見てると、人生とはうまくいかないものだけど、それでいいんだみたいな気持ちになる。仕事も家庭も何もかもうまくいかないもんだけど、それで悲観的になる必要はないんだと。
最後らへんで、水川あさみがもう嫌だ別れようと泣きわめくシーンで、濱田岳が俺もがんばってるし、でもうまくいかないんだからしょうがないみたいに泣き笑いで嫁と子供を抱きしめるんだけど、あのヘラヘラが最高。
泣いてるのか、笑ってるのかよくわからない。ウソ泣きなのか本気なのか、真剣なのかふざけてるのか、よくわからない感じがおもしろすぎた。
ああいう図太さというか、仕方ないだろという諦め、そしてヘラヘラ。そうやって力抜いて生きていくのが幸せだよねって思っちゃった。