身体を傷つけ、ときには死を招くものとなった歴史を
豊富な図版を交えて紹介した書籍です。
19世紀から20世紀前半のファッションの光と影。
安部恵子訳、化学同人出版。
裏ファッション史とでもいえるのかな。
ファッション、服飾って
煌びやかで華やかで明るいっていうイメージなんすけど、
その華やかさの裏にはダークな世界が
いつも隣り合わせみたいな。
体を服にあわせなければいけない
窮屈なファッションの流行。
服が寄生虫や病原菌の媒介になる。
水銀を含んだ化粧品。
ヒ素など毒物を染料に使った衣服の製造者の健康被害。
可燃性の高いセルロイドによる爆発火災事故。
いろんな事例を
当時のスケッチとか
衣服の写真などを使って見せてくれます。
本のサイズが大判なので
写真とかもでっかくて見やすいですね。
オシャレをするのも命がけ。
いやー、昔は危険なことあったんだなあって
のんきに昔のことだといえないですね。
今もファッションは死を招いていると
いえるんじゃないすかと。
だいぶ前に厚底シューズが大流行したことあったなあ。
あれもだいぶ危険だったし、
いつ身体にとって危険なファッションが
大流行するかわからない。
大昔のファッションって
なんでこんな服がはやってたのか
さっぱりわかんないけど
みんなこんな格好してた時代があったわけで。
今でも服の染料は有毒なものだったりするわけで。
この本で紹介されてることは
過去のことで
今はもう違うと言い切れないところが
怖いところです。
現在進行形。
ファッションのためなら
やせ我慢してもいい。
オシャレのためなら、
体が具合悪くなってもかまわない。
なんだろな、着飾ることの快楽っていうのかな。
そういうのがあるんだろね。
いやー、でも鮮やかなグリーンに染め上げられたドレスの
美しさはすごい魅力的に見えますね。
あの緑色をだすために
裏ではヒ素中毒になって体を壊していった労働者がいた。
人の命があの鮮やかな色あいを生み出してるから
魅力的に見えるんだろうか。