ムードの映画。
雰囲気映画っていうやつです。
面白いのかというとそんなにおもしろくはないんだけど、
自分はけっこうムード映画が好きなので
2010年、マイク・ミルズ監督、ユアン・マクレガー、
クリストファー・プラマー出演のヒューマンドラマです。
無料動画のGYAO!で配信してたのを見ました。
ユアン・マクレガーが息子で、
クリストファー・プラマーが父親役。
クリストファー・プラマーはもうおじいちゃんで
末期ガンになっちゃうんだけど、
わしはゲイだとカミングアウトします。
ユアン・マクレガーは、そうだったんだ、
子供のころに感じた父親と母親の愛のない感じは
親父がゲイだったからなんだと
母親との思い出を回想したりします。
母親はもう亡くなってていない。
病気が進行していく父親の世話をやきながら
ユアン・マクレガーは気になる女性と知り合って
付き合いをスタートしていく。
ユアン・マクレガーは愛のない父と母の
やりとりを見て育ったためなのか
恋することや人を愛するということに
臆病になってる中年男なんすよ。
仕事はイラストレーターですかね。
ちょっとした文章に顔の絵とかを
組み合わせたポップな挿絵みたいなのを
コピックで描いてました。
いやー、でもあれで仕事になってんのかよくわからなかったけど。
CDジャケットかなんかの依頼で
肖像画を描いてくれって発注されてるのに
変なポエムイラストを大量に描いて
プレゼンしてたりしててクライアントが
きょとんとして困ってたりしてたから
あれで食えてるのかなって思ったけど。
気になる彼女も何してんのかよくわかんなかった。
フランスの女優とか言ってたけど
ニートじゃないのかなあれ。
親の金でホテル暮らししてるええとこのお嬢さんみたいに見えた。
そういう何やって食ってるのかよくわからない
ユアン・マクレガーとメラニー・ロランの
恋の進展していく話と
ガンは進行していくけど
ゲイカミングアウトで自分らしさを隠さない
生活をしていくクリストファー・プラマーを
見守っていく話が
並行して描かれていく感じになってます。
時系列的には、父親が死んでから
ユアン・マクレガーとメラニー・ロランが出会うので
父親の話と二人の恋の話は別々のはずだけど
混ぜて描くことで、
父親の死に際の生き様に元気づけられて
新しい恋に一歩踏み出していく
ユアン・マクレガーって感じがして
よかったんじゃないすかね。
ユアン・マクレガーが子供だったときのシーンで
出てくる母親とのやりとりもよかったです。
奇行っていうか、奇妙なことをやる母親と
それにつきあう息子。
母親があんなに精神不安定だったのは、
父親がゲイで二人は真に愛し合うことが
できなかったからだったんだと
中年になってからわかるっていうね。
父と母はなぜ結婚したのかというと、
彼らが若者だったときゲイは
病気であり治療できると考えられてたので
父は治りたいと思っていたし、
母は結婚して治してあげると思っていた。
二人の関係は愛のないものに見えていたけど
二人はお互いを思いあっていたから
一緒になったという面もあるっていうね。
重い話だなあ。
まあでも、ムードな映画ではありますね。
犬がかわいかったり、彼女がかわいかったり、
それだけで画面がもってるという気もします。
シリアスなドラマをやってるというより、
親との思い出、子供のころの記憶、
今の状況と照らし合わせて回想にひたるという
ムードを描いてる映画って感じですかねえ。
まあ、みんな初心者だから
とまどったり迷ったりするのは当然だから
何がおきてもそんなに気にすることないよっていう
前向きな話に感じたなあ。
死にゆく親を看取っていく話なので明るい映画じゃなくて
ムードは暗いんだけど、
観終わってみると
そう暗い気持ちにはならなかったです。
父親、母親、子供といっても
みんな父親の初心者であり、
母親の初心者であり、
子供の初心者であるわけで
みんな不慣れで、よくわからない中、
手探りで生きているんだと。
人に恋するのも、いつでもみんな初心者なんだから
不安になってもだいじょうぶだあ~っていうね。
なんかそういう前向きな気持ちになりましたね。
動画:人生はビギナーズ