いつか来る死
死についての対談本です。
コピーライター、ほぼ日の糸井重里氏と、訪問診療医の小堀氏の対談が最初にあって、
次に糸井重里氏のひとり語りがあり、
次に対談2があって、
その次に小堀氏のひとり語りがあるという構成。
ほぼ日に掲載された対談とインタビューを書籍化したもの。
糸井重里が70歳を越えているというのに驚きました。
もうそんないってるのかあ。
小堀氏は80歳超え。
二人とも高齢でも現役でバリバリやってて超人か?みたいな。
元気すぎる。
糸井重里さんがこれまで死についてよく考えてこなかったと言ってましたが、
そりゃあ、バイタリティがすごいある人は
死についてなんか考えないだろうなって思ったなあ。
普通の人でも死についてあまり考えないものだから、
活力がすごい人は余計考えないだろうと。
でも、任天堂の社長の岩田聡さんの死が相当ショックだったという話もあるし
70歳にもなると、親しい人間の死を否応なしに体験してるので
死についてはあれこれ思うとこあるでしょうね。
考えないようにしてもそういうわけにはいかなくなってくる。
小堀さんは訪問診療医として何人もの死に立ちあってる。
今、一人暮らしで早起きして自分で車運転して出勤して
あちこち患者さんを回ってという生活をしているそうです。
祖父が森鴎外ってなんかすごい。
80歳を超えてそれができるってすごいです。
そんなお二人が死について語るので、
自分自身の死についてどうこうとか、
親族の死についてどうこうというより、
現代の死生観がどう変わってきたのか、
これまでの経験からどういう死の迎え方がいいのかみたいな
第三者から死を見るみたいな話になっています。
プライベートなことはあんまり語られてないかな。
入院がいいのか在宅看取りがいいのか。
最期に家族が立ち会うのが当たり前なのかどうか。
いろいろと思うことがあり、考えることがあり、なんですが、
結局のところ死とは、考えてもよくわからないものとしか言いようがないのかな。
死ぬのは怖くないけど、痛いのや苦しいのは嫌だというのは
よく聞くことだけど、
死と苦痛を切り離して考えるのは難しいような気がします。
どのように死に向かっていくにしろ、苦痛はあるんじゃないのかな。
だから死について考えたくもないし、話もしたくないんじゃないのかな。
あらかじめ心構えをしとくというもんでもないような。
なるようにしかならないのが死なんじゃないのかな。
ほんと辛い。
何が辛いって生きてるのがどんどん辛くなって、
最後に心臓が止まるまでその辛さが増していくのが死だと思うので
恐怖しかないな。
今ですら辛くてたまらないのに、楽になることはなく
ますます辛くなっていくのを避けられないんだからなあ。
そう思うと怖くないすか?
死は考えれば考えるほど怖い。