眼の壁
松本清張サスペンス。なんかよくわからなかった。
犯人がなんでこんなことしてたのかもよくわからない。松本清張ミステリって犯人が犯行にいたるまでの人生がどういうものだったかが描かれているからこそ、面白いんだけど、それが今作はよくわからなかった。
出だしは上々だったけど、だんだんよくわからなくなっていった。
大庭秀雄監督。佐田啓二、鳳八千代、高野真二、朝丘雪路、渡辺文雄、西村晃、左卜全出演。1958年モノクロ松竹映画。手形のパクリ詐欺にあって自殺した上司の部下である佐田啓二が事件を独自に調べていく話です。
詐欺グループの背後にいる大物の影、謎の女。調べていくうちに明らかになっていく犯罪者の姿って感じなんすけど、途中からよくわからなくなってきました。
誰が誰で、どういう経歴でどうしたんだっけ?みたいに、なんかこんがらがってきて、人間関係とかそのへんがあやふやなまま終わってしまった。
途中で話を整理するシーンを作ってほしかったなあ。ミステリーものとかであるじゃないすか。
ここで話をいっぺん整理して考えてみようみたいに、主人公たちがそれまでの経緯と人物関係をわかりやすく説明するシーンが。それがなかったんだよなあ、これ。
なので佐田啓二がいろいろ調べて、そうかそうだったのかってなっていくんだけど、いまいちこっちにはなんのことなのかわかりづらかったです。
最後もあいつが実はあいつだった的なオチになってたけど、ぼんやりみてたせいなのか、よくわからなかったです。
硫酸に飛び込んで死んでたのは衝撃的といえばそうだったけど、うーん、それほど面白いっていうわけでもない話でした。
犯人がなんでこんなことしてたのかもよくわからない。松本清張ミステリって犯人が犯行にいたるまでの人生がどういうものだったかが描かれているからこそ、面白いんだけど、それが今作はよくわからなかった。
佐田啓二のほうも、お世話になった上司が不憫で事件を調べてっていうんじゃ、ちょっと動機が薄いような気がしたし。