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男と女と車があれば映画なんか作れる
村川透監督、峰岸隆之介、木山佳出演の日活ロマンポルノ。無料動画のGYAO!でやってたので見てみました。
ギャオも渋いのやってますね。なかなかヌーベルバーグしてました。なんだっけ、ゴダールかトリュフォーかなんかが、男と女と拳銃があれば映画になるとかなんとか言ってませんでしたっけ。
レーサーと人気歌手の逃避行
この哀愁のサーキットは男と女と自動車があれば映画になるです。峰岸徹はレーサー役。木山佳は人気歌手です。
二人が出会い、仕事をうっちゃって駆け落ちしてあちこちで愛し合う。そして行き詰まり、それぞれ日常に戻っていく。そんな話です。
ロマンポルノなので、やたらとベッドシーンがたくさんあるし、しつこく時間も長い。なので普通の映画とは、ちょっと雰囲気違うんですけど、そこ以外はヌーベルバーグしてて、なかなかいいんですよ。
おしゃれなムードが漂うのでけっこう見やすい。人気レーサーと人気歌手の恋愛という組み合わせは、モデルがいるらしいです。福沢幸雄というレーサーと小川知子という歌手の人の恋愛がもとになってるらしい。
ストーリー
峰岸徹演じるレーサーは人気者みたいです。テストカーの調整でサーキットを走る峰岸徹。
CM撮影ですかね、全裸の女たちを従えて裸の峰岸徹が商品を手にとってポーズをきめる峰岸徹。
仕事終わりにファンの女を抱く峰岸徹。バイク不良軍団とバイク勝負して勝つ峰岸徹。勝利の景品はバイク軍団の女。
あんたにゃかなわねえなとバイク軍団と仲良くなっちゃいます。国会議事堂前で腹を殴るふりをするふざけあいをして高笑いするバイク軍団と峰岸徹。国会議事堂をバックにふざけあうというシーンは、権力や社会常識にとらわれない生き方をする男だっていうのを見せるためでしょうか。
享楽的な男
すげえ享楽的な男なんすよ。一人で浜辺で棒を振り回してひゃっほーってはしゃいでみたり、公園で側転して走り回って、水飲み場の蛇口をいっぱいにひねってバシャバシャと豪快に顔と髪をぬらしながら飲んだりします。
とにかくなんだか楽しそう。テンション高いやつだなあみたいな。
一方、女のほうですけども、小山佳は人気歌手なのだが、歌ってる曲に思い入れもないし、スタジオやテレビ局を行き来する過密スケジュールにうんざりしてます。
自分のレコードをフリスビーのように海に投げ込んだりしてます。そういう二人が出会ってですね、このままどっか行っちゃおうかってなって逃避行ってわけ。
峰岸徹が乗ってる車がコルベットでかっこいいんだなあ。
浜辺で、車で、旅館で、あちこちで恋に愛にのぼせあがった恋人にありがちな謎の会話を繰り広げ、体を重ねあう二人。最初は愛の燃える激しさで強く結ばれていく二人ですけども、そのうち行き詰まってくるわけです。
ゴールの見えない逃避行の結末
逃避行にはゴールがない。お金もなくなり、こっそり旅館を出て宿代を踏み倒し、ガソリンをほかの車からホースで吸い出して盗む始末。
みじめな空気が漂いだす。
二人の逃避行は終わった。
そして日常に戻って、峰岸徹はまたレーシングカーを走らせ、CM撮影にせいをだし、ファンを抱く日々。
電話でわたしたちの愛は嘘だったのかと木山佳は追いすがるのだが、峰岸徹は相手にしない。
電話中に抱いてる女は岡本麗ですね。
木山佳は逃避行をもとに作詞したという触れ込みで、新曲「海は女の涙」をプロモーションする毎日。
そこにサーキット走行中に峰岸徹が事故を起こし死亡したという知らせが届く。
男と女が出会って別れるというシンプルな話です。石川セリの歌う曲をバックに男と女が逃避行する映像は、ミュージックビデオのようであり、コマーシャルフィルムのようでもありで、ロマンポルノにしてはおしゃれな感じがしましたね。
それと峰岸徹は昔、峰岸隆之介っていう芸名だったんすね。なんで改名したんだろ。
DMM動画:哀愁のサーキット