これはどうかなあ。宮部みゆきの小説の映画化作品なんすけど、映画っていうかWOWOWのテレビドラマですか、
財布が語るという形式が小説で文字でやってるときは、奇妙な味がでてよかったのが、映像にすると財布を語らせる意味があんまりなくて余計に感じてしまった。
普通の殺人事件ミステリーのお話なので、財布が語り部である 必要性というか、効果が感じられなかったです。財布にしゃべらせずに普通にサスペンスドラマとしてやったらいいじゃないのかなみたいな。でも、そうしちゃったらわざわざこの長い長い殺人を映像化する必要もないような感じになっちゃうからなあ。財布が語り部であるということが、この小説の核というか売りなので、そこをなしにしたら意味がないしなあ。
喋るのはなしにしてもよかったんじゃないのかな。財布が人と人をつなぐ重要なアイテムになってるというミステリーなので、小説では喋ってたけど、映像にするときにはしゃべらせずやってもよかったのかも。
財布がしゃべってるナレーションがなんか浮いてるもん。喋らなくても全然成立するし。2007年の映画。キャストは豪華ですね。
とにかく知った顔ぶれがたくさん出演してます。長塚京三、仲村トオル、金子賢、谷原章介、伊藤裕子、窪塚俊介、平山あや、大森南朋、西田尚美、吹越満、佐藤藍子、谷村美月、前田健、田中実、木下ほうか、酒井美紀、和希沙也出演。麻生学監督。2時間のサスペンステレビドラマだと思えば、なかなか良かったです。映画なのかっていうとちょっとなあって感じの、テレビドラマサイズの映像ですけど、そこは出演者の豪華さでカバーです。
谷原章介のあやしげなオーラとかいいですよ。ニコーリって感じで笑う谷原章介。悪そうな笑顔うまくやるんだよなあ。谷原章介と伊藤裕子が保険金目当ての殺人をやってるらしいカップルをやってます。
らしいっていうかやってるんすけどね。刑事が長塚京三と金子賢。仲村トオルは探偵です。保険金殺人事件の話。
なんかこういう実際の事件ありませんでしたっけ。保険金殺人の容疑者がワイドショーで取り上げられて連日報道されてたとかいう事件がなかったっけ。
谷原章介や伊藤裕子があやしいんだけど、アリバイがある。窪塚俊介を手先に使ってやってたからアリバイが完璧だったというのが最後わかります。
まあ、なんだろね、財布を落としたり拾ったり、財布が思い出の品だったり、財布が結ぶ人と人って感じの展開は次どうなるか飽きさせないから、最後までおもしろく見れたかな。
まあ、でも谷原章介を追い詰めるところは描かれないのが、最後物足りなさを感じるかな。時間的なことでこのあと長塚京三がおいつめていくよっていう形で終わらせるしかなかったからこういう終わりになってるのか、
原作のほうもそういう含みを残した終わり方をしてるのかどうなのかって感じなんすけど、やっぱきっちり決着つけてほしかったなあ。
悪人の完全犯罪成立みたいな終わり方になってんのよ。子供に、いい大人になってくれよと諭して終わりとかなんかなあ。
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