医者の男が妻と娘を強盗に襲われたことをきっかけに、
銃を片手に自ら悪党退治をする話です。
チャールズ・ブロンソンの「狼よさらば」のリメイクらしいですね。
狼よさらばは70年代の映画でしたっけ。
それが2018年にリメイクって、すんごい間あいてる。
こんな間あいてリメイクとかあるんだなあ。
なんかケヴィン・ベーコン主演でもリメイクみたいなのやってませんでしたっけ。
「狼の死刑宣告」っていうやつ。
『狼の死刑宣告』を見た【映画】ケヴィン・ベーコン主演、ジェームズ・ワン監督のリベンジアクション
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これは原作のブライアン・ガーフィールドの別の小説の映画化だったかな。
まあでも同じような話だったです。
家族を犯罪者に殺されて、それで復讐するっていう話。
ブライアン・ガーフィールドはそういう話を多く書いてるのかな。
今回のブルース・ウィリスは緊急病院の腕のいい医者役です。
医者という仕事があり、妻と娘がいて
普通の幸せな男っていう設定なんすけど、
なんせダイ・ハードなブルース・ウィリスですから、
なんだか普通には見えないのが難点ですね。
普通の男が、家族を失って、裏の犯罪の世界、
暴力の力の世界に覚醒するっていうのがドラマティックなわけだから、
ブルース・ウィリスっていうのはミスキャストなんすよ。
どうしてもスーパーヒーロー、タフガイに最初から見えてしまう。
銃を扱ったことなくて、Youtubeで銃の分解組み立ての動画とか見て
勉強して覚えていったりするんだけど、
まあ、ブルース・ウィリスだから銃ぐらいバンバン撃ちますよねえって
見えちゃってね。
どうにもこうにも、ミスキャスト感が拭えない。
ブルース・ウィリスが強盗に妻を殺され、娘を意識不明の重体にされて
どうにか犯人たちに復讐したい、
でないと精神的にどうにかなってしまう、
でも警察の捜査は進展しない、
どうすりゃいいのかって悩んでるわけ。
そんなとき葬式で妻の実家のテキサスの義父とあったときに、
義父が突然車をとめて銃をとりだしてバンバン撃ちまくるわけ。
何かというと、密猟者がいてそいつらを見つけたから
車停めて、ライフル出してばんばんそいつらに向かって銃を撃って
追い払ってたんすよ。
警察が来るまでなんか待っていられない、
自分の力で守るものを守らなければならない。
そういうテキサスの男の姿をみて、
ブルース・ウィリスはショックをうける。
守りたいものは、自分の手で守る。
そ、そうかあと覚醒です。
そっからはもういつものブルース・ウィリス。
どんどん悪党退治。
手慣れたもんです。
自動車強盗を撃ったところを動画で撮影されてて
その動画がネットで大人気に。
フードをかぶった死神とかいわれて人気になってて
ブルース・ウィリスはちょっと得意げになってるのが笑えます。
すごい犯罪都市で犯罪者がそこらじゅうで毎晩犯罪をおかしてる街だから、
悪党を成敗するブルース・ウィリスがヒーロー扱いになってるわけ。
この転換がこの物語のおもしろいとこなんだけど、
やっぱりブルース・ウィリスだから最初からそういう考えなんだろって見えちゃう。
いやさ、ちゃんと描いてあるんですよ。
揉め事があっても手を出さずに穏便にすまそうとする
暴力とは無縁の男であるというのを
娘のサッカーの試合中にヤジる親父ともめるシーンとかで
みせてるのでちゃんとやってるんですよ。
若いときは血の気が多かったけど、
今じゃ落ち着いたいい大人ですっていうのをちゃんとやってる。
ブルース・ウィリスの色が強すぎてどうもいまいちうまくない。
スター俳優が演じることの弊害っていうのを感じたなあ。
これがさ、もっとしょぼくれたオヤジ、
メガネとかかけて背中とか猫背でヒョロガリでとかの
中年オヤジが演じていれば
前半と後半のメリハリがでておもしろくなったと思うわけ。
ブルース・ウィリスって何歳なんだろ。
顔とかすげえおじいちゃんだなって思うんだけど、
胸板とかパンパンで体全体がごつくて現役感バリバリなんすよ。
いやー、ちょっとは役作りで弱々しく見せるとか、
普通の中年男っぽくするとかしなかったのはなぜなのか。
スキンヘッドでムキムキのマッチョ男っていう見た目が
マイナスでしかない。
メガネとかかけて、頭もハゲ散らかした感じの髪型にして
服装も駱駝色のカーディガンにねずみ色のスラックスとか着て
口ひげでもはやしてたらそれっぽくなりそうなもんだけどなあ。
口ひげはやしちゃったら、
チャールズ・ブロンソンみたくなっちゃうからダメか。
昔は、ブルース・ウィリスも出演作品ごとに
見た目をけっこう変えてたように思うけど、
最近はもうずっとスキンヘッドでマッチョ男な見た目のまんまですね。
まあ、それがスターっていうものかもしれない。
ブルース・ウィリスが中心にあって、その他がスターにあわせるみたいな。
狼よさらばのリメイクだと思うからいまいちに感じるけど
ブルース・ウィリス主演のアクション映画だと思えば、
まあ、こんなもんだろねみたいな感じに見れます。
銃砲店で宣伝していた家具があそこででてくるとはって感じで
前フリをちゃんとして回収してるからちゃんとしてる映画だなと。
監督はイーライ・ロス。
ホラーが得意な監督ですよね。
なのでところどころけっこうエグイ描写があります。
肉がぐちゃっ!骨がボキっ!血がドローっみたいな。
そこまで見せる必要ある?みたいな。
エンディング曲はAC/DCのバック・イン・ブラック。
映画とあんまりマッチしてなかったかな。
まあ、ブロンソンの「狼よさらば」とデス・ウィッシュを
見比べるのも楽しいかもです。
暗い狼よさらばのムードとブルースのスターアクション映画のムード。
違いがあって、それぞれ面白い。