ゴクミかわいい!映画。
へえ、こんな映画あったんだあ。後藤久美子の映画初主演作品だそうです。内容は難病もの。
1988年の映画。ディディエ・ドゥコワン原作の小説「眠れローランス」を映画化。
出演は後藤久美子、仲村トオル、佐藤友美、柳沢慎吾、なべおさみ、河合美智子、山下亜紀、日下由美、志水季里子、三田佳子、高峰三枝子、内田稔、草薙幸二郎、伊藤克信、ベンガル、戸浦六宏、丘みつ子、岸洋子、露口茂、緒形拳。
監督は澤井信一郎。
エンディングテーマ曲は財津和夫です。
ゴクミは中学二年生で白血病に罹ってて余命半年。
でも、元気で入院はしてなくて、ちょっと貧血起こしたりするけど、普段の生活をおくってて、今はまだ彼女があと半年の命なんてとても見えない状態。
告知はしてなくて、主治医の露口茂はリュウマチ熱ってことにしてます。母親の佐藤友美は、娘が不憫でならないんすよ。
あと半年で娘の人生が終わるなんて、これから大人になっていく過程で体験していくことすべて、娘は体験できなくなる。
誰かに恋したり、失恋したり結婚したり出産したり別れたりという楽しいこと嬉しいこと悲しいこと何もかもできずの人生なんてと。
仲村トオルは山岳部の大学生です。以前ゴクミの家庭教師をしてたのが縁で兄と妹みたいな関係。ちょっとゴクミのほうが仲村トオルにラブなのです。
中学生からしたら、大学生って大人に見えるのかなあ。ゴクミのほうから積極的にアプローチ。何かと理由をつけて仲村トオルに会う機会をつくるわけ。
女の喜びってなんだろね?
それを見てた母親の佐藤友美は、これだ!ってなるんすよ。
仲村トオルにごっこでもフリでもいいから、後藤久美子と一緒に過ごして恋人気分を味わわしてあげてって。
仲村トオルは最初、困惑する。中2っていったら、子供すぎてそういう対象じゃないし、余命半年の彼女の時間を自分と一緒に過ごすことに使うのが、はたしていいことなのかどうか。
もっと他にやれることあるんじゃないかと思うわけ。
まあ、そうですよねえ、ゴクミがいくらきれいだといっても、ほんと子供なんすよ。部活で新体操とかやってましたけど、ほんと子供でとても恋愛とかの対象にはならない雰囲気なんすよ。
またゴクミも普通っぽいんすよ。美少女なんだけど、活発で自然で変な媚とかないかわいさなんすよ。
女っていうより、まだまだ子供。
だから仲村トオルの戸惑いもよくわかります。
まあでも、母親が偉いよなあ。偉いっていうか、恋するときめきを死ぬ前に娘にも知ってほしいという母心というか、女心というか。
女の最大の喜びは好きな男と一緒にいる時間だから、それを知らずに死んでほしくないっていう強い母親の女としての愛を感じたなあ。
娘に女の喜びを知ってほしいと願う母親。男にはちょっとよくわからん領域かもしれない。佐藤友美が後藤久美子に口紅をプレゼントして塗ってみなさいっていうシーンは、なんかホロっとくるなあ。
中学生に口紅って普通ならはやいんだけど、余命少ない娘に大人になる時間はない。あなたもう一人前の女よっていうメッセージをおくる母とそれをうけとる娘。
なんか泣けるなあ。でも佐藤友美は、緒形拳と離婚してるんすけどね。まあ、別れても関係は良好みたいなので嫌いで別れたわけじゃないみたいでしたけども。
もし、佐藤友美に男で嫌な思いした経験があったらこうはできないかも。
最後はハッピーエンド?
佐藤友美の願いに、ぴんときてなかった仲村トオルなんすけど、ゴクミの純なふるまいを見て、彼女の最後の時間をよいものにするために、彼女ののぞむことはなんでもしてあげたいと思うようになります。
まあ、なんでもといっても男女の関係にはなりませんよ。
キスもないです。
その前段階だなあ。
淡い恋心が芽生えて、もっと彼と一緒にいたいなあって思いが募る段階なんだな。そんで仲村トオルと一緒に時間をいろいろと過ごして、ついにもう入院しなければというところまで病状が悪化。
ゴクミも途中で自分は白血病だって気がついてて、死が近いことを悟ってます。
まあ、でも普通にゴクミはまだまだ元気そうなんすけどね。山岳部の飲み会に参加して、ビールを一気飲みとかしてるし。
この映画は難病ものなんだけど、病気の治療や闘病の描写には時間を使わず、後藤久美子と仲村トオルの交流や、ゴクミと母親や父親の緒形拳とのやりとりを描くほうにしぼって描いてます。
白血病というのは、少女の命にリミットがあるという設定でしかないので、細部は描かれません。
それで入院するまえに、登山行くんすよ、二人で。
頂上目指して調子よく登っていたゴクミだが、容体が急変。登頂をあきらめて仲村トオルにおんぶしてもらって下山してる途中に旅立っていくのだった……。
唐突だなあって思っちゃうけど、まあ、これはこれでいいですよ。山にも登れたし、最後は好きな男の背中で眠りにつけたし、悲しいけど、これはハッピーエンドなのかもしれない。
なんだか美しいものを観たなみたいな気分になったです。
確かにゴクミは国民的美少女だった
まあ、後藤久美子の美少女っぷりがあるからこそ、美しい物語に思えたっていうのがありますね。ゴクミがほんと自然というかなんというか。作為的な感じがない美しさなんすよねえ。芸能人芸能人してないっていうかね。
そこらへんの部活好きで日に焼けた中学生みたいな雰囲気がある。
まあ、こんなかわいい中学生、そこらへんにいないけどね。本人が気負ってない感じですね。そこがよかったです。
仲村トオルも若かったなあ。
登山部でバイトは宅急便の仕分け、卒業後は学校の先生になるような真面目な好青年を好演。
ビーバップハイスクールみたいな不良より、こういう真面目でまっすぐな好青年役のほうがはまってるなあ。