そこぐらいかなあ、面白かったのは。話はありがちないつものヒーローもの。悩むヒーロー。悩んだところで、結局は気の持ちようだねってことなので、悩むかいがないって思っちゃうな。成長を描いてるようで、別に成長してないような気がする。
うだうだ言ってたけど、結局気の持ちようでやる気だしただけ。能力はすごいけど、気持ちがのらないから力を発揮できないっていうだけだからなあ。主人公は蜘蛛に噛まれてスパイダーマンの能力を手にしたけど、うまくコントロールできない。
師匠になってくれていろいろと教えてくれるはずのスパイダーマンは死んじゃう。導いてくれる人がいないのにいきなりコントロール不能な強大な力を手にし、凶悪な敵に立ち向かって、悪巧みを阻止してくれって託される。そんなことできっこないよって悩むわけ。
スパイダーマンは死んじゃったけど、そのかわりに悪役が作動させた機械によって多次元の世界からスパイダーマンがやってくる。だけどそのスパイダーマンは20年ぐらい年取ってやさぐれてるスパイダーマンなんすよ。
中年太りで下腹も出てるし、仕事にも失敗、恋人ともうまくいかない、街の危機を救い続けて何十年もヒーローをやってるけど、生きてることにうんざりしてて気持ちがやさぐれちゃってるやつなんです。中年の危機真っ只中。
だからあんまりいい先生にはなってくれない。他の次元からも別のスパイダーマンが何人もやってきて集結します。モノクロハードボイルド調、ギャグマンガ調、サイバーパンク調などなどのスパイダーマンが集まってくる。
まあそんでみんなで力合わせて敵の機械を潰そうってことになる。敵は次元の扉を開く装置かなんかを作動させて死んだ嫁と子供を取り戻したいとかいう目的で次元のゲートを開放しようとしてる。
それを止めるにはみんながそれぞれの元の次元に帰ったあとにゲートを閉じる役目がいるんだけど、それを主人公には任せられないってなる。未熟だからってことで。他のスパイダーマンはこの次元ではバグるみたいで長くはいられない。
腹の出た中年スパイダーマンが俺が残ってその役をやるっていうんだけど、なんかみんなのために犠牲になることを買って出るというかっこいいものじゃなくて、どうせ元の世界に戻ってもさえない人生が待ってるだけだから、いっそここで消えてしまったほうが楽だみたいな感じに見えちゃったなあ。
主人公ともめるんだけど、いや、普通に主人公を鍛えるとか、なにか作戦を練るとかなんとかして協力したほうがいいのにって感じで、なぜもめてるのかよくわからなくなってきます。
主人公は能力をコントロールできない不安と、あと、いろいろと助けてくれた人生の友であり父親みたいに仲良かった叔父さんが実は悪の手下だったことがわかってショックとかあって落ち込むんだけど、なにがなんだかよくわからないけど落ち込みから立ち直る。
結局、気の持ちようでどうとでもなるみたいな。だから悩んでる描写がいらないなって思っちゃうんだけど、ヒーローものってなんか悩みますよね、大げさに。