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『高校大パニック』【映画のあらすじとネタバレ感想】



受験戦争に疲れた高校生がライフルで数学教師を射殺して校内に立てこもる話。日本が受験戦争だった時代っていつだったかな。70年代がすごかったのかな?子供の数が多くて1クラス40人とか50人いて10クラスあるとかザラの時代でしたっけ?

そういう同級生が大量にいる時代に、名門大学や有名大学の入試に合格するのは大変だったろうなあみたいな。福岡の名門受験高校が舞台。九州大学にいくのを目標にしてる進学校。そこの生徒が飛び降り自殺するのが冒頭シーンです。

そっから話がスタート。もう最初から暗い。校内放送でわが校の生徒が自殺したと校長が話をするんだけど、先生も生徒もたいして気にしていない。さ、いつものようにHRの時間は数学をやるぞと授業を始めようとする。

それに反発を覚えるやつが何人かいる。受験受験、数学できないとそんなことでどうすると人格否定される。進学校の落ちこぼれみたいな感じかな。その一人がうわ~わわ~って切れて学校を飛び出して商店街の銃砲店にフラーっと立ち寄りふら~っとライフルと銃弾を奪取。

いや、どういうことだみたいな。銃砲店のおっさんは客との商談に夢中で席をはずしてて、高校生が簡単にテーブルに出しっぱなしの銃と弾薬を手にする状況ってありえるのかみたいな。まあ、家宅捜索でロケットランチャーや手榴弾が普通に出てくるのが九州だとギャグになってるぐらいだから博多では普通のことなんだろうみたいな。

そんで高校生は銃をもって教室に戻ってきて数学教師を撃ち殺す。数学できなくて何が悪いとや!とぶっ放す。通報で警官もやってくる。刑事もやってくるんだけど、この刑事もなんかよくわからないというかなんというか。

こういう立てこもり事件に慣れてるような感じで、できる刑事風を醸し出してました。いきなり犯人の席で所持品検査。弁当箱をひっくり返して飯の中になにかないか、学生鞄の底をナイフで切り裂いてチェック。

日の丸弁当を調べて意味あるのか、どいうことだ?って思ったけど、なんか薬物を所持してないかを疑ってるみたいです。薬物で錯乱したやつが銃もって暴れてるんじゃないかって思ったらしい。犯人、高校生なのにそんな疑いかけるもんなんかなあ、まあ九州だからかなみたいな。

まあそれで立てこもる犯人と大人たちとのやり取りでいろいろあるわけです。説得のために親が呼ばれてくるとかね。なんかこの親もすごいリアルなんだ。父親がおれは口下手やけんおまえ話せと奥さんに言うのとかね。

これが噂の九州男児っていうやつかみたいな。肝心なときに頼りにならない男。そうかと思うとだんだん気持ちが高まってきて、死刑になってわびろとかギャーギャーと吠えまくったりもする。

出てくる大人たちがけっこう荒っぽい。最初のほうの警官も殺したるクソガキがって熱くなってたし、捜査を指揮する刑事も、早い段階で狙撃チームを招集して待機させてるし、犯人を最終的に射殺することも想定している。

説得を試みた先生が失敗して逆上、受験が嫌なら最初から受験校に来るな!俺が殺したる!と警察の銃を奪って撃とうとするとかね。銃もって暴れる子供と同じようにやり合う血気盛んさ。

面白いのが、受験戦争は悪だとは描かれてないところですね。殺された数学教師のことをいい先生だったという優等生もいる。

同級生が銃で先生を殺したというのに、来年の受験のことを心配していたり、犯人の生徒がバカなんだというやつらもいます。受験戦争に負けて自殺したり銃もって暴れたりするやつのほうが悪いんだと。

野次馬の泉谷しげるが、マラソン教のおっさんと小競り合いになったりとかさ。引きこもって受験勉強なんかせずにマラソンでもすればこんな事件起きないというマラソンのおっさんに、マラソンして大学に合格するか、浪人したら最悪なんだぞと切れる泉谷しげる。

受験戦争が悪いことではないという空気がちょこちょこ描かれる。悪いとか良いとかじゃなくて、競争があるのが当然だということか。そこに疑問はない。負けたやつが悪いんだから、負けないように頑張るしかないんだよみたいな空気。

そういう空気を感じるシーンがちょこちょこあって面白い。しかもそういうのが全然説教臭くなく、立てこもり事件のスピード感ある展開の合間に挟まれる。うまいもんです。あっという間にエンディングって感じだったなあ。

このスピード感っていうか、事が始まってから終わるまでの疾走感はなかなかのもんです。石井聰亙監督のアクションを見せる手腕が高いのかな。ところどころ生々しさを感じさせるのがまたうまい。

犯人が女子トイレに逃げ込んで、用を足してた生徒が逃げてくるんだけどパンツおろしたまんまだったりとかさ。あと避難するために階段を降りてくる生徒の群れのなかを、逆に階段を登っていこうとする犯人と警官がもみくちゃになるシーンとかさ。

うわっ!っていう臨場感を生み出す映像作りになってて、それがスピード感につながってるんだろうなあ。だから、けっこう普通に見れちゃう、古い映画なのに。

変なシーンもあります。最後に化学室に立てこもることになった犯人と人質の浅野温子が、立ちションして少し気持ちがわかり合うみたいな感じになるシーンとか、変すぎる。ジョボジョボと立ちションする犯人。それに刺激されたのか、浅野温子も部屋の奥で座りションする。

えへへ、連れション仲間だねみたいなはにかんだ目線をかわしあうその後、タバコで一服して、なんだか打ち解けあったムードになる二人。立ちション仲間か。浅野温子は受験組じゃなくて就職組だから、受験戦争をどこか冷めた感じで外から見てたのに、最後の人質になっちゃって、しかも狙撃チームに誤射されて殺されてしまう。

なんてこった。皮肉なもんですね。受験戦争に負けそうで錯乱したやつが起こした事件の巻き添えに受験戦争には参加してない浅野温子がなってしまう。

それで最後は警察の強行突入で犯人は確保されて連行される。ラジオ講座があるんだよ、来年受験があるんだよと叫びながら連行されていく犯人。こんな事件おこしておきながら、最後に言うのが受験のこと、気にしてるのが受験のことっていうのが面白い。

両親も就職できるのかっていうのを気にしてたし、刑事は狙撃の誤射を浅野温子の親に知られると大変なことになりますねと言われて、もう終わったことだとドライに切り捨て気にしていない。

大騒ぎして何人も死んだけど、それで何か変わるでもない。なんだか台風のように通り過ぎていったような映画でした。


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