資金繰りに困り、株価はゼロに近いボロ株で、もう万事休す。マシュー・マコノヒーがハゲで下腹がぽっこりしてる。生活に疲れてるなあっていう疲れた感がすごくするオヤジになってる。
もう一発逆転にかけるしかねえと、夢の中でお告げがあって、エドガー・ラミレス演じる地質学者と組むことにします。エドガー・ラミレスはかつて大きな銅の鉱脈を発見して話題になった地質学者だが、今はもう昔の人って感じでこっちもぱっとしない。
ぱっとしない、人生追い込まれた二人の男がインドネシアの山奥で復活をかけて、金の鉱脈探しに賭けるってわけです。
予告映像では、誰が裏切るのか、なにが本当なのかわからない騙し合いが展開するサスペンスみたいな映画に見えるけど、ぜんぜんそういう映画ではないです。ゆったりとした展開で、どん底男の一発逆転の栄光と挫折を描く人生ドラマ。
ぜんぜんサスペンスとかではないです。なので、スピーディーな展開で、騙し騙されの応酬があるのを期待して見るとがっかりするかもですね。
マシュー・マコノヒーの演技をじっくり味わう映画って感じだから。
マラリアで死にかけたりしたけど、金は見つかる。見つかるというか試験的採掘でとったサンプルを分析したらものすごい量のゴールドがふくまれてる鉱脈という結果がでる。やったーってなって、そっからは倒産寸前で投資家が見向きもせず資金繰りに困ってたのが嘘のようにお金が集まってきて大復活。
株価も上昇ってわけ。でっかい投資会社もはいってきて、何百億ドルという規模のお金がマシュー・マコノヒーのまわりでうごめくように。
こうなると乗っ取りみたいなことを考えるやつらものりだしてくる。なんせすごい規模の金の鉱脈なので。
インドネシア政府とつながりがあるような大物もはいってきて、マシュー・マコノヒーはすべてを失いそうになるんだけど、これまた大統領の息子をうまく手懐けて政府と手を組むことに成功して乗り切る。
一発逆転を2度もやってのける。ドリーム!サクセス!ってわけなんすけど、その栄光はすべて嘘の上になりたっていたのだというのが後半です。
エドガー・ラミレスが分析結果を偽装してた。金はとれない。全部ウソ。マシュー・マコノヒーは呆然とする。あのインドネシアで泥まみれになりながら、死にそうになりながら、金を探し当てた戦友だと思ってたあいつが嘘を……って。
そんですべてを失います。
マシュー・マコノヒーがほんとは嘘を知ってたのか、ほんとに知らなかったのかは、ちょっとどっちかぼかしてたかな。うすうす、うまくいきすぎてるとは思ってたみたいですが、がっつり共犯というふうには描かれてないです。
エドガー・ラミレスはインドネシアで軍にとらえられてヘリコプターから飛び降りて死亡。死体が見つかったと言われても、マシュー・マコノヒーは信じられない。あいつが飛び降り自殺?そんな馬鹿なって。
友を失い、栄光を失い、敗北した男が行くところといえば昔の女のところです。映画ではだいたいこうなりますよねえ。昔の女が別れてもずっと待っていてくれるわけないんだけど、映画は夢の世界だから女はいつまでも別れた男を待ってくれているのだ。
別れた妻ブライス・ダラス・ハワードのとこに花もって顔だすと、あなた宛の郵便来てるわよって言われて、手紙をひらいたら、そこにはインドネシアでエドガー・ラミレスとその場のナプキンかなんかに書いてかわした契約書と小切手が入ってる。
契約書の取り分は50・50という言葉のとおり、小切手は約8000万ドルだった。あの野郎、粋なことやってくれるぜってことでおしまい。
うーん、夢があるエンディング。実際の事件はこういうことなかったと思うんだけど、映画としてはいい終わり方だったですね。
映画としておもしろいのかというと、けっこうまったりしすぎてるし、マシュー・マコノヒーの演技以外とくに見るべきものもない感じで、いまいちですかねえ。