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『動脈列島』【映画のあらすじとネタバレ感想】



新幹線の騒音問題映画。新幹線沿線で暮らして騒音に苦しむ人々を診察していた医師の近藤正臣が義憤にかられて、騒音問題対策をしなければ新幹線を止めると脅迫。警察は犯罪心理学を学んだエリート捜査官、田宮二郎をリーダーに犯人を突き止め、犯行を阻止しようとする。

そんな感じの話です。新幹線を人質にする映画では、高倉健の「新幹線大爆破」が有名だけとこういうのもあるんだね。動脈列島の知名度が低いのはなぜなのか。内容は優劣そんなにないと思ったけどね。

やっぱり高倉健が別格ということなのかも。

監督は増村保造なんだあ。こういうのも作ってたんだなあ。ことの発端は新幹線の騒音問題というシリアスな社会派なところなんだけど、映画が描くのは天才同士の頭脳戦みたいな感じでした。

近藤正臣の犯行計画は警察の裏を見事にかく計画で、手がかりをたどって近藤正臣が犯人だとわかっても、なかなか近藤正臣は捕まらない。

警察の動きを予想して、それをうまくかいくぐる計画をたててる知能犯。それをうける田宮二郎はこの事件を知的な犯罪者との知能ゲームと思ってるふしがあって、つねにクールです。

熱くなって焦ったほうが負けると思ってる感じ。チェスのグランドマスターが、お互いのミスを誘う我慢比べみたいな雰囲気でした。

ヤクザみたいなマスコミに、逮捕できるのかどうか、新幹線停車を阻止できるのかどうか、はっきりしたこと言えと騒がれても、

涼しい顔で確実なことは申し上げられませんとかえす田宮二郎。最後に勝てばいいのではと、すんでのところで逃しても平常心をくずしません。

近藤正臣は恋人の薬剤師の高橋惠子に頼んで病院のニトログリセリンを入手してもらう。そのニトロと爆弾につかえる回路とか犯行声明文を茶筒にいれて新幹線のトイレにつまらせておく。

爆破しようと思えばできた、要求どおり騒音対策がなされない場合は新幹線を強制停車させると。方法はわからないんすよ。爆破するのか、なにかするのか。

レールに油ぬって列車を止めるとか、停車信号を電波で飛ばして停車させてみたり、デモンストレーションを何度もして、真剣にやるぞと脅す。新幹線を止める方法は無数にある。

警察側は田宮二郎をリーダーとする捜査班が結成されて犯人探しが始まって、近藤正臣にいきつく。近藤正臣は海外旅行中でいないということになってるんだけど、いとこかなんかが影武者で出国してて、近藤正臣自身は日本に潜伏しているのがわかる。

捜査網はどんどん狭まって近藤正臣に迫っていく。

追い詰められていき、捕まるのも時間の問題かと思われたけども、バーで飲んでたらホステスの梶芽衣子が誘ってきます。彼女は近藤正臣が犯人であることを知りながら、協力してくれる。

危険な男に惚れる危険な女。

梶芽衣子の目つきが尖すぎ。眼力すごいなあ。

彼女の協力もあって、新幹線停車計画を警察の包囲網をかいくぐって進行させていく近藤正臣。がんばれ~って応援したくなってきますね。

ここまでいったんだから、最後まで成功してほしいみたいな。輸血輸送の車を奪って検問を突破とか無茶しやがるぜ。

新幹線を止める方法っていうのは、沿線からブルドーザーを線路に落とすという方法でした。警察の手がのびることを予想して、ブルドーザーをラジコン化して遠隔操作するというところまで用意していた。

あと一歩というところまでいくんすけど、田宮二郎が、ラジコンだ!運転席のキーを抜け!と計画を看破。警察の圧倒的人的物量の多さによって、キーが抜かれてブルドーザーは停止します。

リモコンがきかなくなって、近藤正臣は万事休す。もうだめだ。

というか、あの大人数の警官隊なら、周辺を一斉に虱潰しに捜索したら近藤正臣をすぐに見つけられたのでは?という疑問はわきます。

近藤正臣はけっこう近くにいるので。

高橋惠子がもうでてきて、負けたんだって説得に来てて、それで近藤正臣は観念してでてきて、高橋惠子が抱きついて終わり。

なんかエンディングがあっさりしすぎてましたね。

なんかもうひとつ盛り上がりのない終わり方だったような。

騒音問題で始まったんだから、最後のしめも騒音問題がどうなったのかみたいなエピローグがあってもよかったような気がするんだけど、近藤正臣の終わった、すべて終わったという負けムードで締めくくられたエンディング。

まあ、けっこうおもしろかったです。ちょいちょい変だなって思うところもありましたけどね。手配されている近藤正臣が国鉄の総裁の家にあらわれて、騒音被害の実態をつきつけるテープを聞かせるシーンとかね。

どうやって入り込んだんだ。総裁のほうも話を聞くだけでそのままなにもしないで近藤正臣を帰す。丸腰の犯人が目の前にいるのに、なんもしないとは、情けない。

新幹線が大事なら、自分が刺し違えても犯人を止めるとかやってもいいようなもんだけど、国鉄にそこまでの気概はないってことっすかね。

義憤が裁判による解決ではなく暴力による脅迫という荒っぽい手段になるところとか、情婦の協力によって計画が遂行されるとことか、近藤正臣は革命運動家っぽいキャラだったなあ。

一方の田宮二郎は名探偵コナンに出てきそうな明るいキャラで、じめじめとした近藤正臣とは対称的でこの二人の対比はけっこうよかったかな。

陰キャVS陽キャみたいな。そしてやっぱり最後は陽キャが勝つみたいな。


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