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『アス(原題:Us)』【映画のあらすじとネタバレ感想】


これはあわなかったなあ。もっと怖い話、もっとドキドキさせてくれる話だと思って期待して見てみたんだけど、そうじゃなかったです。ホラーのような出だしだけど、そうじゃなかった。階級差、貧富の差、生まれの違いだけで、住む世界が違う格差を見せるSFだった。

出だしと前半はホラー映画の定番というか、定石みたいな感じです。普通の黒人の一家がバカンスに出かける描写。夫と妻と子供二人。この奥さんが主役で、奥さんは小さい子供のころにビーチの遊園地の鏡の館でもう一人の自分を見て怖い思いをしたことあってそれがトラウマになってる。

だからビーチには行きたくないというんだけど、夫はのんきでおとぼけ野郎なので、行こうよ、友達の家族も待ってるしってことでビーチに行くことになる。

友達の一家は白人一家なんすよ。こっちのやつらのほうが、主人公一家よりも少しお金持ちです。なんかいけ好かないやつらって感じです。娘たちもビッチまるだしで性格わるそうだし。

なんで友達付き合いしてんのかよくわかんない。

そんで主人公の奥さんは異常になにかがおきると怖がってバカンスどころじゃなくなる。家に帰って夜になったら、家の門のところに4人の人影があらわれて……。

日常の普通の光景。過去のトラウマに怯える主人公。そういう描写が前半にある。だから、これホラーなんだなって思って見てた。家の外に、4人の人影があらわれてっていうところまでですね、ホラーなのは。

てっきり、ドッペルゲンガー的な、もう一人のわたしがわたしをのっとろうとしてくる的な、サイコサスペンス的なホラーかと思った。だから襲ってくる自分が正体不明な感じで主人公たちを翻弄していくんだろうと。

心理的に怖がらせるやつだなと。

でも違ったですね。あらわれたもう一人の自分たちは、ニヤニヤ笑ったり、変な声で喋ったり、子供が四つん這いで動物みたいだったり、いかにも変なやつらって感じの人たちなんすよ。ハンドシグナルで指示だしたりとかさ、なんかマンガの悪の組織の隊員みたい。

服装も赤いつなぎを着て、片手に指なし手袋はめてて、手にはハサミで、なんか安い悪役戦隊みたいで萎えてしまった。仮面ライダーのショッカーか?みたいな。

主人公たちは怖がるんだけど、見てるこっちはなんか怖いというより、なんだこのセンスってちょっと笑ってしまう。なにこの安っぽい悪の組織みたいな。

彼らの登場で恐怖が吹き飛んでしまった。

中盤、襲ってくるもう一人のわたしたちを撃退していく主人公たちの姿に、これはもしかしてホラーではなくコメディか?って思い始める。

もう一人の自分をいろんな方法でやっつけるのを見せるスプラッターコメディかみたいな。

最初はなぜか素直にもう一人のわたしたちの言うことを聞いてたのに、途中からめちゃめちゃ反撃しだす主人公たち。なんで最初はあんなに大人しく言うことをきいていたのか……。

友人の白人一家の家に助けをもとめていくと、なんと白人一家のところにも、もう一人のわたしが訪ねてきてて一家は殺されていたのだ。

友人一家のもう一人たちを、つぎつぎとやっつける主人公一家。なんか日頃の恨みを晴らしてるみたいでしたね。おれよりいい車のりやがって、おれよりいい家で、気に食わねえみたいな。なんの躊躇なくやりますからね。

こうなってくると、怖いとか恐怖とかじゃなくて、世界がゾンビ化してパニックになるみたいな終末世界パニックものです。

最初、ホラーで、そっからコメディで、そして終末世界系になって、もうこの時点でこの先の展開に興味を失ってしまいました。

なんかこれはホラーとかSFとかサスペンスとかのジャンル映画のフォーマットを使ってるだけでやりたいことは別なんだと思って楽しめなくなっちゃった。

その後の展開もなんかわけわかんないんすよ。SFになる。

地下に別世界があってそこには実験体たちが生きてて、地上の人間たちの行動に影響を与えてててとかわけわかめな設定が語られる。

なんか理論がよくわからない。SFっぽい設定だけど、それどうなってんの?ってよく意味がわからない。

ただ、地上と地下、地下の世界は最低でそこで生きるのは辛いことで、同じ人間なのに生まれた場所が違い、偶然だけで、幸不幸が決まるという理不尽さを見せたいがための設定でしかない。

ちゃんとSFをやろうという気はないんです。

真剣にホラーをやろうという気もなくて、コメディをやろうという気もなくて、SFをやりたいわけではない。

ただの形としてジャンルを使ってる。

だからがっかりしちゃったんだ。合わないなって思っちゃったんだな。

主張や思想が先にあって、それに当てはめるように後付で設定や展開をくっつけた逆算映画。その逆算が見えるから、あわないって思ったんだなあ。

最後にどんでん返し。ドッペルゲンガーものの定番のオチ。実は主人公は子供のころに鏡の館でいれかわっていたのだ!地下住人の主人公が、地上の主人公にいれかわっていた。

それまでの描写の意味が最後にわかるってかんじです。子どものころに喋れなくなったとかはいれかわって別人になってたからで、恐怖のトラウマではなかった。

主人公が恐れていたのは、自分が地下人間だからだった。オチがわかってから思い返すと、最初からの主人公の行動がよくわかるなって感じです。

めちゃ好戦的で躊躇なく容赦なくバシバシもう一人のわたしたちを抹殺できたのはそういうことだったからかあって感じ。

うーん、どうもダメだったっすね。仕掛けに凝ってるのが見えちゃって、怖くないし、楽しめなかった。


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