名門大学病院の次期教授を決める選挙の裏の攻防を描いたドラマ。
成り上がり、のし上がり、出世競争。
手に入れたいものを手にするには
ありとあらゆる手段でなりふり構わず
恥知らずになってやりきらなければならない。
田宮二郎演じる財前五郎は手術の腕はピカイチ。
医局のうけもいい。
次期教授にふさわしいと思われている医者。
彼が好き勝手いい気になってやってるのが気に食わない教授の東野英治郎。
自分が退官したあとに田宮二郎が教授にこのままなるのは
おもしろくないと、候補者をよそから担ぎ出すことにする。
まあ、それで田宮二郎側も選挙戦に実弾やら計略やらを
めぐらせるようになり、また両者のあらそいにのっかって
うまい汁を吸おうとする第三勢力もあらわれ選挙戦は激化していくってわけ。
出世するのも大変ですね。
選挙戦が激化してから田宮二郎は仕事は上の空です。
選挙戦にかかりっきりであれこれ頑張った結果、
選挙に勝って教授の座が手に入ります。
教授になったら口ひげとかはやしてるのが笑える。
偉そうになってんの。
選挙にかまけてたおかげで患者のケアがおろそかになってて
手術した患者が死亡して訴えられて裁判になる。
絶体絶命かってなるんだけど、
この裁判で自分が負けるようなことがあれば、
大学病院の権威失墜、医者全体の格を落とすことになるといって
敵すらも味方にひきこんで裁判に勝利します。
財前五郎の完全勝利です。
田宮二郎とは意見が食い違い、
医者は教授選挙なんかにかまけてないで、
患者と真摯にむきあって医学の研鑽に努めるべきだという田村高廣は
よその病院の教授職をあたえられて左遷される。
完全敗北です。
医者として患者と病気に全力をつくせという医者が敗北し、
自らの出世と栄誉のために医者になったものが勝利する。
後味悪い結末ではありますが、
実際、組織の中で出世したかったらこんぐらいしないとダメですよね。
のんきにのほほんとやってたら
仕事がいくらできても根回しや裏工作がうまくない人は
出世なんかできない。
仕事ちゃんとやるだけじゃだめで、人間関係もうまくやらなきゃいけないし
あっちこっち顔色うかがって
押したり引いたり大変だ。
自分は出世に興味がない、出世しなくてもいいと思っていたとしても、
所属する組織の争いに知らん顔することはできないから
どうしたって出世争いに巻き込まれていく。
またさ、2大勢力の争いにかこつけて
両方の勢力にいい顔して利益をえるうまいことやるやつらも出てくる。
いろんな立場の人の様々な思惑がぶつかって権力の座につくものが決まる。
会社の社長に誰それがなったとか、あのポストに誰それがついたとか聞くと
裏ですごい汚い戦いがあったんだろなって
想像するようになりました。
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