「黒の報告書」
モノクロ。
宇津井健は検事。
担当した殺人事件で目撃者もいるし、物的証拠もあるし、
自白はないけど有罪にもちこめると
自信満々で起訴したんだけど、
凄腕弁護士が金で目撃者や証人を買収。
証人はことごとく証言をひるがえし、判決は無罪となってしまう話。
宇津井健は有罪にできなかった責任を問われて
青森にとばされてしまいます。
左遷。
検事は起訴したら有罪にしないと、出世できません。
簡単に嘘をつき裏切る人間たちを目の当たりにして、
人間不信に陥った宇津井健ですが、
最後、同僚や刑事のとことん追求するという言葉に
また人間を信用してしまいそうだ、
俺は甘いなと力なく笑うのが印象的でしたなあ。
まあその、人の気持ちなんて状況が変われば簡単に変わっちゃう。
信用とか信頼とかそういうのは、
片方が思ってるだけじゃ成立しないんすね。
信頼してると思っていても、
それは今はそうだけどっていうだけなので過信は禁物。
宇津井健はあまりにも純粋すぎる。
俺だったら金をつまれても真実を優先する!っていうタイプです。
1000万円もらえると言われて証言をひるがえした愛人。
借金は不問にするといわれて偽証する弟。
融資を餌にされてこれまた都合のいい証言をする待合のおかみ。
正義に燃えるまじめな宇津井健には、
彼らが金にころんだ汚いやつらに思えるんだろね。
愛人の女は1000万円の約束が100万円しかもらえなくて、
おこってまた検事のとこにきて証言するとか言うんだけど、
ときすでに遅し。
訴追しない決定がなされ神山繁の無罪は確定した後だった。
もうおそいんだよ、いまさらなにいってやがんだと
叶順子をぶん殴る勢いで憤る宇津井健。
宇津井健はこういう正義漢というか、
真面目な人間を演じるのがうまい。
まじめすぎてちょっと怖いぐらいっていうキャラクターを
演じてることが多い印象ですね。
うまいっていうか、
もしかして本人もそういうまじめな人なんじゃないかみたいな。
そう思わせる力強さがある演技だね。