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『金の亡者たち(原題:돈/Money)』【映画のあらすじとネタバレ感想】


韓国版ウォール街って言う感じですかねえ。実家はいちご農家、コネも金も特技もない取り柄は純朴なところだけみたいな新人証券マンが主人公の金融サスペンスドラマ。主人公はブローカー。顧客からの注文を受けて株の売買をして手数料を稼ぐ。

主人公は全然稼げない。失敗続きで首になりそうなんだけど、あるとき上司から謎の顧客を紹介される。巨額の注文を出してくる謎客の注文をさばくことで、巨額の手数料を稼ぐようになるわけ。

でもその注文はあやしいものばかりなんすよ。インサイダー取引の片棒をかついでるというのは主人公も感じているのだけど、ただ注文の仲介してるだけだから、ブローカーとしては問題ない、グレーゾーンでセーフみたいに見て見ぬふりします。

なんせ額が額だけに、入ってくる手数料が莫大。給料は成績による歩合制なので、どんどんお金が入ってきて成金野郎になっていく。金欠のいなかっぺだった主人公が、高い家賃のマンションに引っ越し、高級時計に高級スーツ、高級車と手を出していく。

大金を手にすると、性格も変わってきて、自信満々のドヤドヤ男になっていきます。女性に対しても、自信なさげで奥手だったのが、高嶺の花だと思ってた美人の同僚といい感じになったりもする。

まあ、簡単に大金を手にすると、ああなっちゃうよなあみたいな。高額な宝くじに当選した人が数年で全部使い切って、借金までするようになるっていう話を聞くけど、そうなんだろねって思っちゃう。

湯水の如く、お金を使ってみたいっていう欲求は誰しもあるだろうからなあ。貧乏っていうか、親がイチゴ農家で苦労してるのを子供のころから見て育った主人公なので、大金を手にしたら復讐するかのように贅沢するのもよくわかる。

まあ、それで金融取引監視の役人から目をつけられて捜査が進んでいって、やばいことになっていくっていう展開です。

謎の顧客はいろんな証券マンを操ってインサイダー取引をやって巨額の利益を得ている。主人公と同じように彼の注文をさばいていた人たちが、謎の死をとげたり、なんだかやばい感じにどんどんなって、主人公は追い詰められていく。

最後、謎の顧客の裏をかく取引を成功させて顧客に大損害を与えることに成功するっていう描写があるんだけど、いったい何がどうなってどういう取引なのかっていうのが具体的にはよくわからなかったです。

友達の会社の株取引を利用して、バカンスで知り合った投資銀行のやつにも協力してもらって3人でタイミングをはかって売買を成功させたみたいな描写なんすけど、なにがなんだかなのでスリルとサスペンスはあんまり感じられなかったかな。

金融取引は難しいですね。冒頭のスプレッド取引とかいうのもよくわからなかったし。まあ、細かいところは置いておいて、なんか大金稼げた、なんか成功したっていうのがわかればそれでOKですかね。

それにしてもお金は恐ろしい。やばいことでも、実際に大金が入ってきたら、ま、いっか?って思っちゃう、思わせちゃう力がマネーにはある。不正も違法も、大金が入ればOK的な気持ちになっちゃう。人類最大の負の発明はお金かもしれない。

謎の顧客もお金を違法取引で稼いでいる目的はなんなのか、なにか買いたいものがあるのか、お金を使ってなにかしたいからというわけではなくて、稼ぐチャンスがあるからやる、その大金を稼ぐという行為そのものが目的だったし。

お金にたいする欲望に終わりはない。怖いことやなあ。


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