販売部の会長派。記者側の社長派。その2つの派閥があって日頃から権力争いをしていた。社長派が動いて、会長の引退動議をかけて役員投票により可決。これから争いがどうなるかというときに、会長の若山富三郎が倒れる。
これで一気に社長派に有利になるかと思いきや、社長が芸者と浮気してるときに腹上死してしまう。芸者役が井森美幸でなんか最初違和感あったなあ。井森美幸ってバラエティの人っていうイメージしかないから、役者もやってたんですね。
会長の若山富三郎は病院のベッドでいつ亡くなるかという状態。社長は腹上死。役員たちはそれぞれの思惑で動いて生き残ろうとする。江守徹とか裏でこそこそやってどうにかおいしい思いをしようとしてます。
緒形拳は販売部なので会長派のはずなんだけど、派閥争いとかくだらないから、俺はどっちにもつかないと我道をいきます。会長おろしの役員会議の投票のときもどちらの派閥にも票いれないのです。硬派なのかと思いきや、ただの軽いやつなんすよねえ。会社のゴタゴタとか面倒、おねえちゃんと浮気して楽しくやりたいみたいな。
会社のそういう派閥争いとかどうでもいいから。それよりもおねえちゃんとデートだからみたいな。
料亭の女将、十朱幸代と知り合って、彼女と楽しくデートすることに夢中です。社葬の準備があるからと嫁に嘘ついて、スキーに行ったりします。まあ、帰宅した緒形拳が日焼けして足がガクガクになってるのを見て、ぜったい浮気してるなと嫁の吉田日出子は気がついてますけど、なんも言わずにニコニコしてます。
社葬の準備が進む中、会長派、社長派の争いの行方がどうなるのか、緒形拳と十朱幸代のロマンスはどうなるのかっていう感じです。けっこうコミカルな描かれ方されてるので楽しく見れたなあ。
社長の息子が佐藤浩市で彼を次期社長にとおす流れもあったりなんかしてどうなるかと。最後はなかなかいいラストでしたね。急病でいつくたばってもおかしくない会長の若山富三郎が驚異的な回復をみせて社葬に登場。
次期社長に佐藤浩市を指名してまるくおさまるみたいな。銀行の不正の記事を握りつぶした江守徹らは敗北。緒形拳はうまく立ち回って、会社を追い出されずにすんだ。十朱幸代のコネに頼って首がつながった感じ。まあ、純粋な色恋の関係でいたかったのに、利用されたのがショックで十朱幸代は去っていく。
十朱とのロマンスは終わったけど、部下の藤真利子となにかありそな感じで、この男はやっぱり女が一番かみたいな。全然こりてない緒形拳。
会社の権力争いに命かけるとか馬鹿らしい。それより楽しいことに人生かけようぜみたいな主人公がなんだかいい人間に見える。まあ、女遊びもたいがいにしとかないと、ニコニコしてる奥さんがそのうちニコニコしなくなっちゃうかもしれないから気をつけろとか思ったけどね。
しかし葬式って不思議な式ですよねえ。死んだ人を見送る式なんだけど、死んだ人のことはみんなあんまり思ってないんすよ。葬式に集まった人って亡くなった人のことよりも、残った人がどうするかに頭がいってて、全然死んだ人に思いを馳せるなんてことがない。
年食って何度か葬式に行くことがあったけど、どの葬式でも残った親族は式の準備やなんやで忙しいし、集まった参列者も故人とは親しかったりするけど、他の人とは親しくもなかったりするから、とくに故人の話をして死を悼みあうってこともない。
死んだ人のためにやってる式なんだけど、実際は残されたものたちのための式っていうのが、不思議だね。死んだらどんな偉大な人でももう死んだ人ってことで話題の中心になりえない。
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