子供を育てるのに親がどういう人間かというのが大きな問題になるという話。ミラ・ジョヴォヴィッチはウクライナ出身のシングルマザー。女ひとりで息子を育てるために、詐欺師をやって稼いでます。息子も相棒として一緒にしのぎをやってる。
車を試乗してそのまま盗んだり、寄付金詐欺やったり、おもしろおかしくその場しのぎのその日暮らしを続けていたんすけど、ある日息子のボビーがビル・プルマンの運転する車にひかれてしまう。
息子は骨折ぐらいですんで命に別条はなかった。これをきっかけにミラ・ジョヴォヴィッチとビル・プルマンが知り合いになる。ビル・プルマンは不動産会社の社長で超お金持ち。豪華な家に住み、高級車に乗り、優雅な生活してるんですよ。
親しくつきあいをすればおいしい思いができるとミラ・ジョヴォヴィッチは張り切っていたんすけど、近所のオヤジに通報されてネグレクトってことで逮捕されてしまう。裁判で養育の義務を果たしてないとかなんとかで服役することに。
そこでビル・プルマンから提案がくる。息子のスペンサー・リストを僕の養子として迎え入れるのはどうだろうかと。ミラ・ジョヴォヴィッチが出所して生活が落ち着くまで一時的にビル・プルマンの家でボビーを預からせてくれと。
まあ、ミラ・ジョヴォヴィッチに選択の余地はありません。こうして離れ離れになったミラ・ジョヴォヴィッチとスペンサー・リスト。出所してから、ミラ・ジョヴォヴィッチは仕事をかけもちとかして息子とまた一緒に暮らせるように頑張ろうとするけど、こんなことしててその日がくるのだろうかと徒労にくれる。
息子のほうは、お金持ち学校に通わされるけどそこではお前のかあちゃん前科者なんだってなっていじめられるし、以前の悪い不良友達との関係も切れずにいるから、問題行動ばかりおこすようになる。
血のつながった実の親と暮らすのが子供にとっては一番いいとはいえ、実の親には経済的な余裕もないし、子供に良い環境を提供できるような基盤もない。じゃあ、金持ち夫婦に預けてそこで金銭的に何不自由ない暮らしができたとしても、ここは自分の居場所じゃないというしっくりこなさ、違和感を感じ続けてボビーは混乱する。
子供にとって何がいいのかなっていうね。まあ、実の親が金持ちで愛情もってる親だったらそれがいいんだろうけど、そんな家庭にめぐまれてる子供がどれだけいるのだろうか。
ミラ・ジョヴォヴィッチはいったん息子から離れることにします。自分の身辺をきれいにしてちゃんとしてから迎えに行こうと。また詐欺や犯罪の生活には戻らないぞと。ここで話は終わりです。
あとこの母と子がどうなったのかはわからず。まあでも、人生うまくいかないことばかりですよねえ。あれが足りない、これがない、あれがあったらよかったのに、これがこうだったらよかったのにと恨み言言いたくなるようなことしかないのが人生。
でも、そこで腐らずまっとうな生き方をするしかないんだっていうね。なんか悲しくなっちゃったなあ。おもしろおかしいコメディだと思って見始めたのに、見終わったらしんみりしちゃいましたね。
監督のファムケ・ヤンセンってなんか聞いたことあるなと思ったら、あの役者のファムケ・ヤンセンなんですねえ。007でオナトップを演じていた女優。96時間でリーアム・ニーソンの元妻役とか。監督業もやるんだなあ。俳優で監督もやる人ってけっこういる。でも1本か2本ぐらいでやめちゃう人多いですよね。
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