田舎なんですよ。舞台が。事件の内容も田舎の事件だなあって感じ。すごいこじんまりしています。FBIとか麻薬の売人とか出てくるんだけど、スケールがものすごく小さいです。田舎町のドラッグや銀行強盗事件とかそういうのです。
FBI捜査官の情報屋になった女性の話なんすけど、痴情のもつれのほうを描く感じです。産業がさびれて衰退していく小さな田舎町。そこで暮らしている主人公。主人公のまわりにいる男たちはロクでなしです。犯罪者しかいない。
そこにFBI捜査官が赴任してくる。麻薬の取締をきっかけに主人公とFBI捜査官が知り合いになる。それで情報屋として銀行強盗やってるやつの話とか麻薬取引に関する情報とかをFBI捜査官に流すんすけど、そのうち男女の仲になります。
まあ、それがだんだんこじれていくっていう感じです。なんか事件のスリルとか犯罪サスペンスのスリルとかアクションがある映画だと勘違いして見ちゃうと、なんだか地味でだるい映画にしか思えないです。
もっと湿っぽい映画なんだよなあ、これは。沈みゆく田舎町ぐらしでまわりは犯罪者ばかり、自分もジャンキーでろくな人生じゃないと思ってる女性。そこにFBI捜査官でちょっとハンサムで奥さんと子供がいてちゃんとした家庭ももってて、なんか田舎の男とはちょっと違うみたいな空気をもってる男がやってきた。
その男と一緒に過ごすとなんだか自分が彼の奥さんのような気がして、このクソみたいな現実から逃避できる。でも男は情報屋として利用してるだけだし、ちょっとした火遊びもできていいなぐらいにしか思ってないわけで。こんな関係続けていても未来はないっていうね。
その泥沼感。どこにも出口なしの絶望感。そういうのを見せるドラマなんすよ。最後も悲しいですよ。主人公はFBIのやつに殺されちゃう。森に捨てられた死体は発見に時間がかかったので白骨化していた。
最後のエンドロールに実際の事件の人物たちの写真がでてきます。FBI捜査官の男はインタビューに答える映像もでてきます。なんか自首して服役して出所したあとのインタビューなのかな?なんか軽妙に事件のことをしゃべっててちょっとこのひとどうかと思ったなあ。
まあ、なんていうか田舎町の小さな事件でほんと地味でしたね。でもこういうの日本人はけっこう好きそうだけどね。火サスっぽいし。
DMM動画で「エージェント・スミス」を見る