それまでの緊迫感が切れてしまった。というのも銃撃戦の描き方が、ハリウッド式の主役たちには一切弾が当たらない、棒立ちなのに。敵はヘッドショット一発でバタバタ倒れていくタイプの描き方だからです。
まあ、軽く手や足に当たってましたけど、死んだりはしないって感じです。四方八方から銃撃されているところをなんの遮蔽物もないのに走っていって無傷みたいな描写はさすがに萎えます。
身を隠しながら狙うとかじゃなくて、なぜか棒立ちになって敵をバンバン狙撃。あれかな。こっちはライフルだから、敵側の弾は届かないのかな?って思ったけど、そんなことはなく、めちゃくちゃに雨あられに撃たれまくってた。でも主役側には当たらない。
スコープ越しの映像でバンって撃って敵が血しぶきだして倒れるとか、ゲーム画面か!みたいな。そういう描き方されると萎えますね。
最後の銃撃戦になるまでの流れはけっこう地味なんだけど、緊張感があってよかったんだけどなあ。フランスの植民地でバスジャック事件発生。犯人の要求はフランスからの独立、政治犯の釈放など。フランスは特殊部隊のスナイパーチームを現地に送り込む。
オルガ・キュリレンコは教師役です。子供たちの身を案じてバスジャックされたバスに自ら乗り込んでいく。これもどうかと思ったけどね。まあそれで事態は硬直状態。憲兵隊、スナイパーチーム、CIAのやつはフランスから、狙撃OKの指示が出るのを待って待機することになる。
作戦ゴーの指示が全然出なくて、疲弊していく現場チーム。犯人グループ5人だっけ、を同時に狙撃するという作戦なんすけど、フランス側はバスに犯人一人の状況でないと許可しないという。
まあ、実質、待機しろっていう指示ですよね。犯人側は荒ぶっていくし、犯人側の応援がきて、子供たちを国境の向こう側に連れて行かれたな手出しできなくなってアウト。それで狙撃チームが独断で狙撃を実行します。
狙撃は成功。それで派手な銃撃戦になったがみんな無事でよかったと思ったところが、子供が一人流れ弾で犠牲になっていたとわかり、苦い結末になっちゃいましたっていう終わり方です。
実話をもとにしてるけど、創作はかなり強くされているので、実話ベース映画によくあるただの再現映像にはなってなくて、けっこうおもしろく見れました。よかったのは、特殊部隊のメンバーたち。
特殊部隊とか軍人とかいうと、マッチョなムキムキ野郎たちっていうのがよくあるけど、この映画では、みんな普通の人みたいなんすよ。長髪でヒゲボーボーとかで、服装も普段着みたいな。ライフルケースがギターケースだったらミュージシャンと見間違うんじゃないか。
リーダーなんかメガネでヒョロヒョロで、国語教師みたいなやつなんですよ。全然に軍人っぽくなかった。そういう普通っぽさがよかったですね。
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