戦争をコロナ禍と置き換えて見ちゃったなあ。なんかコロナウィルスっていう未知の危ないやつが流行ってきてるらしいよ、自分の周囲では何もかわったことなくていつもどおりなんだけどっていうね。
コロナウィルスも最初はそんな感じで何も実感なかった。それが感染者数が増えていき、状況がかわってだんだんと自分の生活にもコロナの存在が見え隠れしてくる。そのうちコロナウィルスの存在が生活や社会のありかたを決めるようになる。戦争やウィルス蔓延やなんだっていう重大な社会変化は、こんな感じでひたひたと迫りくるものなのかもしれない。
映画のできとしては、うーん、これはどうかと思ったなあ。ちょっと薄いですね。深夜にやってるドラマみたいなノリでした。30分ぐらいで済みそうな内容を2時間に引き伸ばしちゃってる感じ。
前半のふざけたノリはわざとやってるのはわかる。前半、おふざけムードで後半シリアスムードにしてその落差の大きさを狙った演出なのはわかるんだけど、使われている音楽の安っぽさと場違い感に耐えられない。BGMが安すぎる。
それに変な効果音が鳴るのもどうかと思う。原田知世が顎をくいっとやって目線で江口洋介を促すみたいな動作のときにキュコキュコみたいな変な効果音が鳴る。いやー、それどうなんだろっていうね。
役所のかしこまった手続きを滑稽に描いたり、役所の職員を変なふうに描いたり、そういうのがいいとは思えなかった。意図はわかるんだけどなあ。
お話は旅行代理店に勤務する江口洋介が住んでる町が突然隣町と戦争を始める。江口洋介は偵察業務を任命されて役所の職員、原田知世と偽装夫婦になり隣町に引っ越すことになるみたいな感じです。
戦争といっても、ほんとに戦争なんかやってんの?っていうね。新聞に小さく今日の戦闘の死者何人とか書いてあるんだけど、江口洋介の生活や周囲の雰囲気は普段とまったく変わりがない。
原田知世と夫婦を装って隣町に移住。江口洋介はまだピンとこない。原田知世と一夜をともにし、仲良くなったと思っていたのだが、原田知世のほうは職務で性欲処理活動の項目をこなしていただけだった。
まあ、その職務に忠実な原田知世と、普通の感覚で戦争にピンときてない江口洋介が、最後にどうなるのかみたいな。二人の気持ちは通じ合うのかみたいなのが一応山場になってました。
うーん、やっぱりこれ30分ぐらいですむ話だよなあみたいな。それにこれってもっと怖いトーンで描いたほうがおもしろい話ですよね。前半のおちゃらけムードはやっぱり失敗だと思う。大真面目にシリアスに描いたほうが笑えると思うんだよね。
設定がおかしいんだから、描写は逆に大真面目にやるのが落差ができておもしろくなると思うんだよね。わざとらしいお笑い演出はいらなかったのに。
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