諸星大二郎のマンガを塚本晋也監督が沢田研二主演で実写映画化したもの。といっても主役はジュリーというより工藤正貴です。舞台は田舎の中学校。緑いっぱいの夏休みの校舎が夏休み気分を盛り上げます。夏休み映画でもありますな。
考古学者のジュリーが手紙を受け取る。義兄の竹中直人からで古墳を発見したから見に来いと。それで久しぶりに亡くなった嫁さんの田舎に帰ったら、竹中直人は女生徒上野めぐみと一緒に行方知れず。
ヒルコという化け物が現れて、夏休みの校舎に異変の数々が起きていた。竹中直人の息子の工藤正貴と一緒にジュリーは化け物退治のために古墳を探す。
夏休みのがらんとした校舎で仲間たちとだべる中学生。緑豊かな田舎の風景。工藤正貴は上野めぐみに恋心をもってるけど、かなわない切ない感じ。こっちがメインなんすよねえ。ジュリーは化け物退治するためにやってきた助っ人専門家っていう感じの役回り。
ヒルコっていう化け物は遊星からの物体Xみたいなやつです。人の頭に足が生えたみたいなやつ。これが気持ち悪いんだあ。ヒルコによってあやつられ友達たちが首を自ら切り落として死んでいく。上野めぐみの顔に足がはえてこそこそ動き回るのがいやーな感じでね。
恋心を抱く好きな相手が化け物になってる悲しさ。実らない初恋のしょっぱさですね。
沢田研二はなかなかおもしろい演技してました。ひえーって逃げ回る情けない感じがおもしろいです。でも、キンチョールでヒルコを撃退!情けない感じなんだけど、化け物にひるむことなく立ち向かう強さももってます。なんかよくわからないキャラですね。
竹中直人が見つけた古墳ていうのが、化け物ヒルコを封印していたものだったんです。それを開いちゃったもんだから、ヒルコがでてきてしまった。ヒルコは扉を完全に開いてお仲間全員を外に出そうとする。
昔の特撮でなんか味のある感じなのが、逆に不気味でいいです。なんかよくわからないのが、工藤正貴の背中に人面疽みたいなのが浮き出てくるんです。死んだ仲間たちの顔みたいなんすけど、なぜそんなものが出てくるのか?
なんか背中にそういうアザ?の少年がなんか角のはえた冠をかぶって、ヒルコを封印したとかいうことが過去にあったらしく、その役割を工藤正貴が受け継いでいたっていうことらしい?まあ、よくはわからないんすけど、最後は冠かぶった工藤正貴が呪文をとなえて古墳を封印することに成功する。
まあ、犠牲はすごいですけどね。男友達が3人でしたっけ?いや二人だったか。あと上野めぐみでしょ、もうひとり生徒がいたなあ。それと用務員の室田日出男。そして竹中直人。かなりの人数が行方不明として処理されることになると思う。
大事件だけどあとどうするんだろうみたいな。すべてが終わって、農道を工藤正貴と沢田研二がほのぼの農道歩いて、じゃあねみたいに別れてましたけど、そんなほのぼのできるかあ?みたいな。
まあ、そこはいいんでしょうね。大人のジュリーが主役の話であれば、そのへんの描写も作るんだろうけど、これは子供の大冒険の話だから、ふれなくてOKです。
夏の雰囲気。夏休みのムードがいい映画だったけど、ヒルコがぐろいのがなあ。あんまり好きになれない映画です。
DMM.comで「ヒルコ/妖怪ハンター」をDVDレンタルする