エンタメの夜明けという題名だけど、エンタメのことじゃないような気がしたけどね。接待してでっかい仕事をものにした列伝みたいな話に感じたけど。三菱地所案が通ったら富士山麓にディズニーランドが建ったんだなあ。それはそれで森の中のランドって感じで雰囲気あってよかったかもしれない。先行していた三菱を三井不動産はどう逆転したのか。
熱意と接待。接待力の高さがディールをまとめるには重要であると改めて感じた。説得しなければならない人間を気持ちよくさせるにはどうすればいいか。そこなんですよねえ。目の前の人を説得する力こそがでっかいディールをものにする。
よくいるじゃないですか。なんでこの人が出世したり重要ポストについたりしているのか不思議な人が。口をひらけば問題発言。目覚ましい成果をあげるわけでもない。でも全然失脚しないし重要なポジションに居続ける不思議な人。
ビジネスマン、政治家、芸能人、どこにでもそういうタイプの人がいる。
そういう人は、権限をもっている人間に気に入られる才能があるんだな。説得するべき相手、気に入られるべき相手を接待じゃないですけど、気持ちよくさせる才能があるから出世する。
これなんだよなあ。遠くの夢や希望をみて動くんじゃなくて、目の前の相手をどうやっても籠絡するぞという気合。これがでっかいことにつながっていく。電通マンって接待の鬼なんだろね。
ディズニーランド招致も、ランドの夢と希望を語ったからではなく、ディズニー側の担当者にここまで気配りが行き届くのかと思わせることで実現する。
人を動かすことの重要性。仕事はとれるかとれないかだけだな。受注できたところで仕事の半分以上は終わってる。電通は中抜きがどうとか、組織としてもう終わってるとかなんとか言われてるけど、結局、オリンピックの開会式のプロデュースとか何百億円のプロジェクトを受注できてるわけだからなあ。
オリンピッグとかさ、内容や演出に批判があったとしても、実際お金は動いて電通が儲かってるわけでしょう?電通とおさずにやりまーすとかってならないわけで。電通が権力もってる人にしっかり食い込めてる。
というか電通が権力側と一体化してるのかな?
全然電通の存在感は薄れてない。昔はもっとすごかったのかもしれないけどね。小谷正一と堀貞一郎の時代とくらべて、今は落ちちゃったってことなのかもしれないけど、全然電通の神通力はおちてないようにみえるけどなあ。
ネットが発達してSNSで裏事情が暴露とかされるようになって、問題を指摘されたり、批判されたりしたところで、実際、電通が仕事をとれているんだからなあ。オリンピックでもまたがっぽり稼いだろうし、まだまだ電通の天下は続くんじゃないの?
ほんとうに電通がダメになるときは広告代理店という存在が不要になる時代になってからじゃないすか。これだけネットがどうのこうのDXがどうのっていっても、代理店業がなくならないのはなぜなのか。直取引にならないのはなぜなのか。
接待や営業しなくても仕事を頼みたい人とやりたい人がマッチングする時代ってなかなかこないもんですね。まあ、技術がどうなろうが、結局、人対人で、接待して顧客を気持ちよくさせて仕事をぶんどれ!っていうのは変わらないのかもですね。
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