浅野忠信は病院で目覚めるが何も覚えていない。恋人と車を運転中に暴走トラックが突っ込んできて同乗していた彼女は死亡、浅野忠信は大怪我で記憶喪失になったと両親から伝えられる。事故前のことを何も思い出せないのだが、医者になるために勉強していたことだけは忘れてなくて勉強して医大に入る。
成績優秀な医学生。解剖実習で割り当てられた献体を解剖していくうちに、記憶の断片が思い出されていく。そして、その解剖している遺体が彼女だと気がついて……。なんかホラーっぽい話にも感じますけど、最後はなんかいい感じにしめくられていたのでホラーじゃなかった。
まあ、ホラーっぽいところ多いけどね。やたらと無表情でこちらを見つめる登場人物たち。不気味なムードが漂う映像作りでした。でもホラーではないっすよね、これは。死んだ彼女と死体で対面して生きていたとき彼女と過ごした時間を再認識するみたいな。
そして解剖実習は終わり、彼女の火葬が執り行われ、彼女の死を受け入れ、先に進むみたいな、どっちかというと感動のストーリーっぽい終わり方だった。うーん、だったらもうちょっと感動的に描いてくれてもいいのだけど、基本的に登場人物は無表情か怖い顔。これじゃあなあ。
それになんか話が薄っぺらいように思っちゃったな。描けているようで何も描けてないシーンが続く。死んだ彼女とのことも、新しい彼女とのことも、ただ雰囲気だけ。こういうムードだけの映像で引っ張っていく映画はけっこう苦手なんだよなあ。
セリフは最低限で役者もワンパターン。それで何かドラマを感じるような映像作りになってれば、なにか感じるんだけど、映像も単調でドラマも描けてないとなると、退屈な時間が流れているとしか思えなくて見てるのが苦痛になってくる。
浅野忠信に解剖されたいと思う彼女の思いもわからないし、浅野忠信の彼女への思いもわからない。砂浜で変なダンス踊る彼女。ストーカーみたいな今カノ。あれ?あの人って彼女でもなんでもないんだっけ?
なんかふんわりしすぎてて、全編とらえどころがない。どうもノレないなあ。