スコット・コーエンは既婚者で子供もいるんだけど、優良物件の男が独身であることなんてないんだから既婚だろうと関係ねえっとナタリー・ポートマンはアプローチしていく。スコット・コーエンのほうも妻のリサ・クドローとの関係に不満があったのか、ナタリー・ポートマンのほうに行っちゃう。
そしてスコット・コーエンは妻と別れて、ナタリー・ポートマンと再婚するのだが、結婚生活は順風満帆には行かないのだったみたいな話。妊娠して赤ん坊ができたんだけど、突然死で亡くしてしまう。連れ子の息子との関係がうまくいかない。
略奪愛だと陰口たたかれる。前妻のリサ・クドローともいい関係とは言えない。当たり前か。欲望のままに突き進んで、その通りにいい男をつかまえたはずなのに、幸せとは程遠い。そういうモヤモヤの映画だったかなあ。
ナタリー・ポートマンの親との関係、とくに父親との関係がよろしくないということも描かれる。父親への反発心から今のナタリー・ポートマンの行動が成り立ってる。一方、父親と似ているような男に魅力を感じてしまう。
その矛盾にナタリー・ポートマンは悩んでいるというかなんというか。何かを得たりなにかを失ったり、アップダウンに振り回されるナタリー・ポートマンの感情は不安定きわまりない。人にひどいこと口走って、その場で自分でもひどすぎると気がついて謝るシーンがいっぱいあったなあ。
まあ、どうなんすかね。ドラマとしてはすっきりとした幸福なエンディングは用意されてないです。わかりやすいハッピーエンドはない。もやもやとして、それが晴れるかと思いきや、いやそんな簡単にモヤモヤが晴れることはないよっていう終わり。
赤ん坊の突然死は自分のせいだというナタリー・ポートマンの告白。スコット・コーエンとは別居。その後、赤ん坊の死にナタリー・ポートマンのミスはなかったというリサ・クドローの話があってうまくもとに戻るのかと思いきやスコット・コーエンは無理だと拒絶。
ダメなんかと思ったら、また食事デートでもしないかってなってダメじゃなさそうみたいな。
わかりやすいコメディとかラブコメなら、すべての問題がうまく解決して、みんな幸せな気持ちになっておしまいっていうことにするんだろう。でもこの映画はそこまですっきりしてなかったですね。
乳製品アレルギーの息子がおもらししたのは、アイスクリームを食べさせてたからだと思ったら、フムスの食べ過ぎだったとわかって、よかったよかったとはならない。
みんなそれぞれ自分の思うままにやりたいようにやって、そのせいで軋轢が生じる。簡単に解決したりするもんではない。それは当たり前のことなんだということを描いているドラマに思えました。
ナタリー・ポートマンは既婚者だろうがなんだろうが、いいと思った男性と一緒にいたい。スコット・コーエンも妻との人生よりも、ナタリー・ポートマンとの人生を選んだ。そういう大人たちに振り回される息子も、やりたいようにやっていくしかない。
人が人とかかわっていく中でおきる摩擦は、簡単に解決できるものではなくて、アップダウンを繰り返してモヤモヤしたなかで、幸せがあったり不幸があったりでずっとあるもんなんだと。