大人になった彼女、アガト・ルセルは車に異常な愛着を感じ、殺人衝動に襲われ殺人を繰り返すようになっていた。頭に金属が入っておかしくなっていく様子を描く、医療サスペンスかなとか思って見てたんだけど、そういうわけではなかった。変化していくところを丁寧に描くというわけではないです。
なんか最初からこの人おかしかったんじゃないのかなって感じなので。交通事故は父親が運転する車に乗ってるときにおきるんだけど、すでになんか変な子供というか、嫌な子供なんすよ。音楽の邪魔して変なハミングして唸って、父親がうんざりした感じでやめろという。
今度は後ろに乗ってるんだけど、運転席の背中を蹴りだす。なんか事故でプレートいれる前から変なやつで、父親が困ってるって感じです。頭にチタンプレートいれたことは関係ないのでは?みたいな。
そんで大きくなったアガト・ルセルは車の展示ショーのモデルとかやってんの。車に異常な愛着をもってるからこういう仕事を選んだんかな?高身長でセクシーダンスが得意でモデルとして人気で、ファンがいてサインとか求められる。うざいストーカーみたいなファンが追いかけてきてしつこいので殺します。
髪留めに使ってるお箸みたいな棒で耳の穴をぶっ刺して殺します。もしかして、そのお箸、チタン製か?みたいな。必殺仕事人みたいな殺し方だな。刺された人が白目むいて泡吹いて死んでいくのがグロい。
車とセックスをしたりもします。車とセックス?なにがどうなってるのかはよくわからないけど、車の中でギシギシピストン運動してエクスタシーしているのが描かれる。
かなり変でやばい生活してるんだけど、主人公は親と同居してるのがびっくりした。まあ、父親とは口も聞かないし、目も合わさない感じだから、お互い干渉しなくてやっていけてるのかな。
まあ、それで奇妙なことに彼女のお腹が膨らんできます。股間からは黒い液体がもれてくる。まるで妊娠したような症状が出てくるんだけど、まさか車との赤ん坊ができたのか?もうこの時点で、奇妙なことだらけでお腹いっぱいなんすけど、世にも奇妙な物語は続きます。
気軽に連続殺人してるので捜査が迫ってきて、彼女は逃亡しようとします。でも駅は警官がいっぱいですぐ見つかりそう。どうするか。看板広告でたびたび見る行方不明の人間のなかのひとりになりすますことにする。
は?どういうことだよ?無理だろ……って思うんだけど、主人公は髪を切って胸にさらし巻いて鼻を折って人相をかえて、行方不明者になりすまします。なりすませてないけど……。性別も顔もぜんぜん違うんだけど……。
それで行方不明者の親が迎えに来るんだけど、違う、息子じゃないってならずに、息子だ、DNA鑑定はしない、引き取りますっていうことになって逃亡に成功。どういうこと?
ぶっ飛びすぎてわけがわかりません。頭にチタンプレートが入っておかしくなっていくというのはなんかわかるような気がするけど、その後の展開が奇妙すぎてわけがわかりません。
主人公を行方不明だった息子だと引き取った男は消防士の隊長をやってる。息子が行方不明になってからちょっと精神がおかしくなってるみたいです。
まあ、そりゃ頭おかしくなってるだろって感じですけどね。アガト・ルセルは息子に似ても似つかないし、見るからに不審者だし、ぜんぜん喋らないし、男?いや女だろ?、いや、どっちだ?みたいであやしさしかない。
頭にチタンプレートが入った狂った女と、狂った消防士の奇妙な親子演技生活が始まります。消防隊員たちも、息子?どういうこと?とおかしくは思ってるけど、隊長がそういってるんだからそういうことにしとこうみたいな雰囲気なのが笑える。
消防士なのでアガト・ルセルも一緒に救急現場に出動したりするんすよ。睡眠薬飲み過ぎた息子を助けてと言ってきた母親も倒れてアガト・ルセルが心臓マッサージをやることになるんだけど、できるわけない。
隊長がマカレナ知ってるだろ、歌うから歌にあわせてやれ!ってアガト・ルセルにやり方を教えるシーンがおもしろかったです。
狂った消防隊長の歌うロス・デル・リオの「恋のマカレナ」に合わせて、頭にチタンプレートが入った他人になりすまそうとしてなりすませてない狂人が見様見真似で心臓マッサージ。いったい何を見ているのか、見せられているのか、なんなんだこれはという奇妙な出来事が続きます。
アガト・ルセルのお腹はますます膨らんでくる。さらしで隠せるレベルじゃなくなってくる。それで最後に出産です。生まれてきた赤ん坊は背中にチタンの骨をもった赤ん坊だった。
わからない。わけのわからないものを連続で見せられた。おもしろい、おもしろくないというより、変で奇妙だという思いしかわいてこない。
世にも奇妙な物語が好きな人にはおすすめかな。マカレナシーンと、一人やっと殺したとほっとしたら他にもいてまた殺さなきゃいけなくて、いったいこの家には何人いるのって疲れてぼやいてたのがバカっぽくてよかったね。