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『きっと、うまくいく(原題:3 Idiots)』【映画のあらすじとネタバレ感想】


コメディ映画だけど、かなり強い社会風刺の映画でもあったですね。一見おバカムービーだけど、けっこうきつい社会にたいしてのツッコミしてると思いました。インドのことって全然知らないけど、この映画で描かれているようなことがあるんだとしたら闇を抱えてるなと。

舞台はインドの超難関工科大学。そこに入学してきて、寮の同室になった3人の学生を主役に学園生活を描くって感じです。動物好きで本当はカメラマンになりたいファルハーン。神頼みで気弱なラージュー、そしてランチョー。

卒業後の大人になってる彼らが再会する時間軸と、過去の学生生活の時間軸が混じり合って描かれます。

インドってIT人材大国っていうイメージなんすけど、なんでインドにそこまでITエンジニアの人材が育ってるのかよくわからなかった。この映画を見ると、親が子供をエンジニアにするために、自分たちの生活費などのお金を節約して教育費につぎこんでるみたいなんすよ。

人生のすべてを、子供がエンジニアになることにかけている。

インドってカースト制度がありますよね。身分の違いとか階級の違いでつける仕事が違うとかじゃなかったかな。それをこえて裕福になる道が、子供をエンジニアにすることみたいなんすよ。工科大学を優秀な成績で卒業すれば、IT系の大企業や金融系の企業に就職することができる。

メガテック会社、金融系の会社は給料がいいから裕福になれる。成功できる。ということで、親の期待を一身に背負わされ、村の期待を一身に背負わされた若者が、とにかくエンジニアを目指して競争する。

あと裕福な家庭では子供を医者にするみたいですね。この映画の学長の娘は医者になるように子供のころからレールを引かれている。

そういう構造があるから、優秀な人材がいっぱいみたいなんすよ。その競争が激化して、途中で脱落して自殺まで追い込まれる若者が増えてたりするみたいなんすよ。昔の日本の受験戦争みたいな感じなんですかねえ。

この映画でも、学長から留年を通達された学生が首吊って死んでしまうということが描かれてました。主人公のひとりであるラージューも退学宣告で飛び降り自殺で死にかけるし。そういうきつい現実にあることの描写があって、それを打ち破ってくれるファンタジーの存在として主人公ランチョーがいます。

3人のうちのひとりなんすけど、ほんと型破り。めっちゃ勉強はできるけど、教科書どおりの点取教育はくだらないと教授にも平気に楯突く。エンジニアはなにかを発明して作って世の中をよくしたり人を助けたりするものでしょう?

なのに自分だけが裕福になるために、テストでいい点をとる競争に明け暮れるのはおかしいと。登場人物の中に、そういう社会構造でうまくやる人はこういうやつだっていうのがでてくる。サイレンサーというあだ名のキャラクター。

すかし屁をするからサイレンサー。こいつは点取競争をうまくやることに全力をあげ、教科書丸暗記、テストでライバルを蹴落とすために他の生徒の妨害をやったりする。主人公がことあるごとに、彼を馬鹿にするし、いたずらしてこけにする。

まあ、ちょっとやり過ぎだよって思ったけど、こういうおかしな競争、おかしな競争にのる人を間違ってるぞって強く言いたいんだろうって思ったなあ。

そういう社会風刺的なところはなかなかおもしろかったです。でも、ちょっと長いかな?中盤から最後にかけてがちょっとなあ。このへんの時間軸の前後をもうちょっとうまくまとめてさっさとエンディングにすすんでほしかったかな。

2部構成になってるけど、なんかもっとうまくつなげて2時間にしてくれてもよかったような。

中盤から、ランチョーと再会するために二人がランチョーを探す。大豪邸に住む名士がランチョーという名前で、やっと再会できると思って行くと別人。大学の卒業証書や改ざんされた集合写真が壁に飾られている。

ランチョーはランチョーではなかった。大金持ちの家の庭師の子供で、勉強ができるので金持ちの息子ランチョーのかわりで大学に行ってた。学びたい主人公と、優秀な成績で大学卒業という卒業証書がほしい金持ちの利害が一致しての入れ替わり。

なんかこういうのも実際ありそうですね。お金持ちがはくをつけるためにお金で学歴を買うみたいなこと。まあ、それで主人公はというと、田舎で自分で学校をやって貧しい子どもたちを教えながら、数百の特許を取得している高名な博士になっていたというオチです。

社会風刺をやりながらも、ファンタジー的な幸福な結末も描いてあるのがよかったですね。ひどい結果になる映画もあるじゃないですか。現実の厳しさをそのままやるやつ。そういうのってわざわざ映画で見たくないから、この映画のような希望のある話はよかったです。

エンジニアではなく写真家として金持ちではないだろうけど、好きなことをして暮らしていきたいと父親を説得するファルハーン。父親もそれを受け入れる。自殺未遂をおこし、成績も悪いラージューだが、就職面接で正直に自分の意見を言う姿勢が評価されて合格する。

実際はなかなかこうはならないだろうけど、映画で理想を見せてくれるのはいいことだと思う。

学ぶのはなんのためか。学問は世の中をよくするためで、個人が裕福になるため、なんていう小さなものじゃないぞっていうね。そこは現実社会で実現するのは難しいからこそ、こういう映画で理想を描くっていうことなんだろうなあ。


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