玉は埴輪に封じ込まれたジャークという魔人を蘇らせるために必要なもの。玉2個を埴輪にはめると封印がとけるらしい。ジャークは世界を支配できるほどの力をもつ。それでよみがえらせようとする悪党と、それを阻止する善玉の戦いになるわけ。
その玉をめぐる攻防を描くのがこの映画のメインです。ジャークとか玉とかは主人公たちを動かすためのただの設定でしかない。ヒッチコック映画でいうマクガフィンっていうやつです。
だから最後にジャークが復活してしまった~ってなっても、ジャークは賞味期限切れでなんの力もない玉なしのオカマだったというオチになってさっさと終わっちゃう。玉をめぐる争いを描くための装置がジャークという存在。善玉と悪玉の攻防の決着がついたらジャークは用済み。
まあクレヨンしんちゃんの映画ってだいたいそうですよね。何か秘宝や魔人や世界征服する装置とかをめぐって、しんのすけたちと悪党が舞台をあちこちかえて追いかけっこしながら戦う。その戦いの様子を見せるのがメインで、お宝の意味とか理屈は適当でオチもけっこうあっさりです。
今回もオカマキャラが大活躍してたなあ。善のほうの珠一族がオカマの三兄弟でアクションにギャグに大活躍。あとアクション映画の刑事にあこがれてる資料室の女刑事とかも出てきてましたね。
かっこだけで銃の腕前はへなちょこで一発も当たらないとかでダメキャラなんだけど、格闘とかは勝てないながらもけっこう本格的みたいなよくわからないキャラだったなあ。敵も個性的なのがそろってて楽しかった。悪役に個性がないとおもしろくないですよねえ。
サングラスにボディコンのチーママ。超能力で心を読める外国人。元プロレスラーだけど実は子供大好きなムキムキ男。頭領は中村玉緒みたいなマダム。いろんなタイプの悪役がそろってていいですね。
今回は芸能人のゲスト出演はなかったかな。原作者の臼井儀人氏が出てきてたのがゲスト出演といえるかな。カラオケ歌ってました。カラオケといえば歌。最終バトルのあれどういうことだったんだろう。
心を読める敵に勝てなくて、じゃあ歌だってなって歌って勝ったってなってたけど、どういうことかよくわかんなかったけど、勢いでそうなんだあ~って納得したようなしてないような。
あとなんでしょうか。ひまわりが登場したのは今回からですかねえ。みさえとひろしがひまわりにばかりかまうので、しんのすけが少し嫉妬して不満げにしてるのがおもしろかったですね。
親は赤ん坊なんだからかまってやらないといけないと下の子にばかり意識が向くけど、しんのすけもまだまだ幼い子供で親の助けはいるわけで。リアルにやるとしんのすけがひまわりにいじわるしそうなもんだけど、しんのすけはなんだかんだいってひまわりの世話を焼くから偉いやつだなあみたいな。
ふざけてるけど、できた子供だなみたいな。しんのすけはなんだかんだいって、映画では一番まともだったりしますね。普段のテレビでもそうなのかなあ。